ネットフリックス、業績見通し強気 広告付きサービス好調

米動画配信サービス大手ネットフリックスは4月17日、第2・四半期の売上高について強気な見通しを示した。2023年7月、ロサンゼルスで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Dawn Chmielewski Lisa Richwine
[ロサンゼルス 17日 ロイター] - 米動画配信サービス大手ネットフリックスは17日、今年の売上高について強気な見通しを示した。第1・四半期決算も市場予想を上回った。幹部らはトランプ大統領の一貫性のない関税政策による経済的混乱を乗り切ることができると自信を見せた。
関税を巡る景気先行き不透明感で節約志向を強める消費者が動画配信サービスへの支出を見直すとの懸念が広がっていたが、グレッグ・ピーターズ共同最高経営責任者(CEO)は、顧客の行動に大きな変化は見られていないと述べた。
同社株は引け後の時間外取引で2.7%上昇した。年初来では9%上昇している。
ネットフリックスは2022年終盤に開始した低価格の広告付きサービスがけん引する形で世界で会員数が増え続けている。
同社によると、広告付きサービスが利用可能な国では同サービスが新規会員の55%を占めているという。
ピーターズ氏は、エンターテインメント部門、特にネットフリックスは過去の景気後退期にも底堅さを示したと指摘。「われわれは需要が引き続き堅調に推移すると見込んでいる」と述べ、低価格オプションも支援するとの見方を示した。
第1・四半期の売上高は105億4000万ドル。LSEGがまとめたアナリスト予想は105億2000万ドルだった。
希薄化後の1株利益は6.61ドルで、アナリスト予想の5.71ドルを上回った。
限定シリーズ「アドレセンス」やサスペンスドラマ「ゼロデイ」などのヒット作が寄与した。
第2・四半期の売上高は110億4000万ドルに増加すると予想。アナリスト予想の109億ドルを上回った。
通期については「健全な会員数の増加、サブスクリプション価格の上昇、広告収入の倍増を想定し」、売上高見通しを435億─445億ドルに据え置いた。
ネットフリックスは、第1・四半期の売上高と営業利益が「サブスクリプション収入と広告収入の小幅な増加と経費の計上時期により」自社のガイダンスを上回ったと述べた。その上で、広告収入はサブスクリプション収入と比べて依然としてかなり少ないと指摘した。
PPフォーサイトのアナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は、ネットフリックスが景気後退に対応できる強い状況にあるとの見方を示した。
ネットフリックスはまた、共同創業者のリード・ヘイスティングス氏が取締役会の非常勤会長に就任するため、執行会長を退任したと発表した。「リーダーシップ構造と後継者計画の自然な進展の一環」という。