トランプ氏の保護主義でドル・米国債投資縮小に妥当性強まる=PIMCO

4月17日、米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は、外国債券向け資金配分引き上げの魅力が増大してきたとの見方を示した。2015年8月、カリフォルニア州で撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は、トランプ米大統領が関税を通じて推進する保護主義的な通商政策により、ドルと米長期国債への投資を縮小する妥当性が強まりつつあり、外国債券向け資金配分引き上げの魅力が増大してきたとの見方を示した。
マーク・サイドナー非伝統的戦略最高投資責任者とプラモル・ダワン新興国市場ポートフォリオ管理責任者は17日付ノートに「米国は保護主義的政策への転換で、世界中の投資家に対米投資を巡る長年の前提を考え直させる機会を与えている」と記した。
さらに「米国はずっと、ドルが世界の基軸通貨で米国債は必須の準備資産という形で特権的立場を享受してきた。しかしこの地位は確実でなくなっている。国際的資本の米国資産への流入が細れば、単一の準備通貨に頼る側面が薄れる多極的な世界に向かうことが示唆される可能性がある」と説明した。
PIMCOは、最近見られたドル、米国株、米国債の「トリプル安」が、新興国市場に関する動きと連動していると指摘する。
サイドナー氏とダワン氏によると、トランプ氏の政策が促進する世界貿易の構造変化は米国への資金流入を抑制し、ドル保有に関して弱気姿勢を取ることの正当性を高めてもおかしくない。
同時に欧州、英国、日本ないし新興国の長期国債が米国債に代わる投資先として魅力を持つようになったという。
両氏は「急激な米国の政策転換は、米国市場・資産が軸となる国際金融システムになれきっている投資家に試練を生み出している。長期間続いてきた世界の関係性が崩れれば、国際的な投資家に痛みを与え、米国資産保有規模の見直しを迫るかもしれない」と述べた。