肥満や足が遅い人のための登山隊も出現、エベレスト登山がここまで普通になった訳
Mount Everest Tours Offer Expeditions for Plus-Sized Climbers as Crowds Gro
この春のシーズン、マッケイが参加した登山隊をはじめ、初心者から熟練者まで何千人もの登山者がエベレストのベースキャンプやその周辺をトレッキングした。
近年、エベレストに関しては、山頂まで続く登山者の長い行列や、ゴミだらけのベースキャンプを映した動画や画像がソーシャルメディア上に出回っている。しかしマッケイによれば、そうした動画は、エベレストに登るということが(たとえ頂上に到達しなくても)どういうことなのか、その全貌を伝えていないと言う。
ネパール観光局によれば、今年すでに600人以上の登山者が標高8849メートルの山頂に到達している。
アメリカ人有名登山家アラン・アーネットによれば、ネパール側から登山する外国人登山家は、900人のシェルパ(山岳ガイド)の支援を受けていた。最近再開されたチベット側登山口には、さらに100人の外国人登山者と100人のガイドがいた。
登頂の成功率が急上昇
調査会社スタティスタのデータによると、エベレスト登頂成功者の数は急増しており、過去10年間で毎年平均414人が登頂に成功している。標高約5364メートルのベースキャンプなら、年間約4万人が到達している。
成功率の急上昇にはいくつかの要因があるが、そのうちのひとつはごく単純だ。70年以上前ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーが初めてエベレストを制覇したときと比べて、昨今は登頂に必要な肉体的条件がいくらか軽減されている。登山靴や登山服、その他の道具も改良を重ねて負担を軽減するように作られている。
「エベレストはどのシーズンだろうと、人気があると思う。エベレスト登山のロジスティクスの合理化が進むにつれて、すべてがより効率的になった。率直に言って、登頂は10年前よりも挑戦しやすくなっている」と登山専門会社マウンテン・プロフェッショナルズのオーナー、ライアン・ウォーターズは本誌に語った。
それでも、エベレスト登山には危険が伴う。今シーズンは登山者8人が死亡し、3人が行方不明になっている。
一方、ネパール人登山家のプンジョ・ラマは14時間31分で登頂し、女性最速の記録を達成した。また、シェルパ族の山岳ガイド、カミ・リタは30回目の登頂に成功し、自身がもつ最多登頂記録を更新した。