ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加支援で供与の可能性
Ukraine Could Soon Get Machine-Gun Mounted Drones
ウクライナのハルキウで軍事偵察用ドローンの訓練を受ける住民(2022年11月4日) Photo by Vyacheslav Madiyevskyy/Ukrinform/ABACAPRESS.COM
<「航空優勢の確保と高精度の殺傷力を融合させた画期的なドローン」だとメーカーは説明>
ロシアと戦うウクライナ軍に、マシンガン(機関銃)を搭載したドローン(無人機)が提供される可能性が出てきた。米ドローン企業がプレスリリースで明らかにした。
米ワシントンのドローン企業「フェロニ・エアロ」は有料のプレスリリース配信サービス「PRニュースワイヤー」のプラットフォームで、新たな兵器化ドローン「FelonX」と「Felon 1.0」を発表した。これらは「ウクライナの防衛能力を飛躍的に強化」するためのものだと述べた。
米議会が何カ月にも及ぶ審議を経て承認した610億ドル規模のウクライナ追加支援の一環として、米国防総省が同社のドローン購入を決定すれば、近くウクライナに供与される可能性があるという。
ウクライナでは、2022年2月にロシアによる侵攻を受けた当初からミハイル・フェドロフ副首相兼デジタル改革担当相が独自の「アーミー・オブ・ドローンズ(ドローン軍)」プロジェクトを立ち上げるなど、ドローンが戦争のなかで大きな役割を果たしてきた。
より遠くからより精密に
フェロニ・エアロによると、Felon 1.0は「航空優勢の確保と高精度の殺傷力を融合させた画期的なドローン」。「空中戦で優位に立つための設計として、高度な監視能力と5.56ミリ機関銃の火力を併せ持ち、作戦行動にかつてない革命をもたらす」
Felon 1.0は上空からの「比類ない火力」をもたらし、偵察任務や国境・境界地域の警備、対テロ作戦の実行にあたって、運用者が安全な距離を保ちつつ「きわめて高い精度で」標的を攻撃できるという。
もう一方のFelonXについては、「ドローン戦の限界を再定義」する設計で、世界最小のスパイクミサイル(精密誘導ミサイル)を「比類のない効率性と精密さで」搭載・発射できると述べる。
トッド・ダンフィーCEOは声明で、同社のミッションは「絶えず変化し続ける地政学的な状況の中で、最先端の防衛技術を各国に提供することだ」と述べた。「追加支援を通じたアメリカ政府からのサポートを受け、現代の戦争を再定義する最先端の兵器化ドローンを提供することで、ウクライナ軍に貢献できる」
戦争開始以降、ロシアはウクライナ軍のドローン攻撃で多大な被害を被っており、一部の攻撃は首都モスクワにまで到達している。標的は主に弾薬庫や倉庫だ。ウクライナがロシア国内への攻撃について関与を認めることは滅多にないが、ロシア政府はウクライナがドローンを使ってテロ攻撃を実行しようとしていると非難している。
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