イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非難轟々...「それぞれの理由」とは
英仏海峡に面した英南東部で保護された人々 ANDREW AITCHISONーIN PICTURES/GETTY IMAGES
<4月下旬に英議会で法案が可決し、不法入国者の拘束を開始したイギリス。周辺国からも激しい非難の声がやまない背景について>
イギリス当局が5月1日、不法入国者の拘束を開始した。特定の対象者をアフリカのルワンダに強制移送する計画の一環で、該当者は主に難民認定を求めて小型ボートで英仏海峡を渡ってきた人々だ。
詳細は今も定かではないが、スナク英首相は7月から移送を始める意向だ。ある英閣僚は4月末、年内に5700人(ルワンダが「原則的に」受け入れに同意している人数)を移送予定だと発言した。
英議会で法案が可決し、ルワンダ移送が認められたのは4月下旬。イギリスでは英仏海峡経由の不法入国者が増加傾向にあり、今年は既に計7600人以上に達している。だが移送計画をめぐっては、激しい非難の声がやまない。
隣国アイルランドも反発している。移送を危惧する人々がイギリスから流れ込む事態を懸念する同国は、北アイルランド経由の不法移民をイギリスに送還する法律を、5月末までに整備すると発表。
だがスナクは送還者受け入れに消極的で、混乱が続きそうだ。