午前のドルは142円後半へじり安、米中摩擦に懸念残る 日米財務相会談も重し

4月24日、 午前のドルは早朝に143円半ばで高値を付けた後、142円後半へとじり安となった。写真は米ドル紙幣。3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Atsuko Aoyama
[東京 24日 ロイター] - 午前のドルは早朝に143円半ばで高値を付けた後、142円後半へとじり安となった。米中貿易戦争を巡る過度な懸念は後退する一方、トランプ米大統領の不規則発言もあり警戒感はくすぶる。米国時間24日に行われる日米財務相会談の結果を見極めたいとの声があった。
日本時間早朝の取引でドルは一時143.58円まで上昇し、前日の高値を上回った。その後は売りが優勢となり、徐々に水準を切り下げた。仲値公示に向けては「輸出勢の売りが優勢だった」(国内銀の為替ディーラー)との声もあった。
関税引き下げで米中摩擦が緩和するとの期待や、日本との協議で特定の通貨目標は念頭にないとのベッセント米財務長官の発言がドル買い/円売りの手掛かりとなった一方、トランプ米大統領が関税を引き下げるかは中国次第と発言するなど不規則発言を繰り広げたことが上昇ムードに水を差した。
日米財務相会談を巡っては、ベッセント長官発言もあり極端な要求はないとはみられているものの、結果を見極めたいとの声が聞かれた。
林芳正官房長官は24日午前の記者会見で、日米財務相会談では為替が議題になるとの見通しを示した。
ニッセイ基礎研究所主席エコノミストの上野剛志氏は、為替介入に対する米国の立場や日銀の政策に対して注文があるかどうかに注目したいと話した。「米国売り」が加速した後でもあり、「あまり強くドル高是正を言えないタイミング」との見方も示している。
ベッセント長官は23日、日本との二国間貿易協議で特定の通貨目標は念頭にないと述べ、「日本が為替に関する主要7カ国(G7)合意を尊重することを期待する」と語った。