最新記事
米大統領選

【米大統領選】バイデン意外に健闘、共和党系の世論調査でもトランプを上回る

Joe Biden is now beating Donald Trump with Republican pollsters as well

2024年4月18日(木)19時20分
ケイト・プラマー

不人気同士の戦い REUTERS/Brendan McDermid and Elizabeth Frantz

<今年の大統領選で有権者の投票行動を左右するのは、自分が支持しないほうの候補者が当選したら大変なことになる、という「恐怖心」だと専門家は言う>

米大統領選挙が11月に迫るなか、ジョー・バイデン大統領が支持率でドナルド・トランプ前大統領をわずかに上回った、という新たな世論調査結果が公表された。

かつて米共和党でデジタル戦略を担当していたパトリック・ラフィーニと世論調査員のクリステン・ソルティス・アンダーソンが共同で創設した調査機関「エシュロン・インサイツ」が実施した調査では、回答者の49%が「確実に」「おそらく」または「どちらかといえば」バイデンに投票するとし、トランプに投票すると回答した人は46%にとどまった。

【写真】「世界最高峰プロポーション」...米スーパーセレブ2人が、魅惑のドレス姿で見せた大迫力「美の曲線」

調査は投票に行くと思われる有権者1020人を対象に4月12日から14日にかけて行われた(誤差範囲は±3.9%)。

本誌はこの件について、トランプおよびバイデンの代理人にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

3月にはバイデンとトランプがそれぞれ、大統領選に向けて政党から候補者指名を受けるのに必要な代議員を獲得。11月の米大統領選が、2020年と同じ顔合わせの対決になることが決まった。これ以降、ますます盛んに行われるようになった世論調査では、現職のバイデンが2期目続投に向けてトランプをリードしているという結果が示されることもあれば、トランプが大統領に返り咲く見通しだという結果が示されることもあり、両者の支持は拮抗してきた。

人気のない2人の候補者の接戦

こうしたなか最近の複数の調査では、バイデンがトランプをリードしているという結果が示されている。

エシュロン・インサイツによる今回の調査は、共和党系の世論調査機関が実施した調査でバイデン優勢の結果が示されたという点で重要な意味がある。また同調査では、議会選挙についても49%が民主党候補に投票すると回答。共和党候補に投票すると回答したのは46%だった。

回答者のうち38%は民主党の支持者を自認。37%が共和党を支持していると述べ、23%は無党派だと回答した。

英サリー大学のマーク・シャナハン准教授(政治学)は本誌に対して、11月の米大統領選は「接戦」であり、一度の世論調査だけでは確信を持って結果を予想することはできないと指摘した。

「一度の世論調査の結果をあまり重視すべきではない。現時点で言えるのは、今回の米大統領選が、あまり人気のない2人の候補者による接戦だということだ」とシャナハンは述べ、以下のように続けた。

「今回の選挙では、有権者の投票動機に『恐怖の要素』が強く作用する。だからこそ、エシュロン・インサイツによる調査のタイミングは興味深い。民主党支持者と無党派にとっては、トランプの2期目が実現することに対する恐怖心が投票に駆り立てる要素となる。自分たちが油断すれば、トランプを勝たせてしまうという論理がはたらく。エシュロン・インサイツの調査によれば、共和党支持者にも同様に、油断すればバイデンが再選されてしまうという恐怖心に駆り立てられているようだ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中