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NY外為市場=ドル上昇、米財務長官が米中貿易摩擦緩和に向かうと予想

2025年04月23日(水)05時39分

ニューヨーク外為市場では、前日全面安となっていたドルが上昇。2010年撮影(2025年 ロイター/Kham/File Photo)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、前日全面安となっていたドルが上昇。ベッセント米財務長官が米中貿易摩擦は緩和されるという見通しを示したことが材料視された。

ベッセント長官は22日、米中いずれも現状が持続可能とは考えておらず、米中貿易摩擦が緩和されると確信していると述べた。ただ、中国との交渉は「長期戦」になるだろうと述べた。JPモルガン主催の会議で、非公開で行われた投資家向けプレゼンテーションでの発言を、関係筋が明らかにした。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.6%高の98.937。21日の取引では2022年3月以来の安値を付けていた。

フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・ボタン氏は「ホワイトハウス内で事態の沈静化に向けた圧力が高まっている兆候がある」と述べた。

ただ、トランプ大統領のパウエル米連邦準備理事会(FRB)批判を受け、FRBの独立性が脅かされるという懸念はくすぶる。

トランプ大統領は21日、パウエル議長を「大きな敗者であるミスター遅すぎ」と呼び、金利が即座に引き下げられなければ、米経済は減速する可能性があると警告した。

前出のボタン氏は「パウエル議長が解任されれば、ドルおよび米資本市場全体への信頼は壊滅的な打撃を受けるだろう」と述べた。

こうした懸念から、ドルは前日、対スイスフランで10年ぶり安値、対ユーロでも21年11月以来の安値を付けていた。

この日は、ドル/スイスフランは1.17%高の0.819フラン、ユーロ/ドルは0.73%安の1.1424ドル。

ドル/円は一時、心理的な節目となる140円を割り込んだ後、0.42%高の141.470円近辺で推移した。

アナリストの間では、米政府が日本当局に円を下支えするよう圧力をかけるという見方が出ている。しかし、日本当局は直接的な介入の余地は限られているとみているもよう。

また、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5.01%高の9万1713.49ドルと、3月以来初めて9万ドルを上抜けた。

ロイター
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