アウディーイウカ周辺で続く攻防戦...ロシア部隊を「全滅」させた砲撃の「瞬間映像」をウクライナが公開
Entire Russian infantry column wiped out in drone attack: Video
アウディーイウカ市内のロシア兵(2月22日) Russian Defence Ministry/via REUTERS
<東部ドネツク州アウディーイウカから西方に向かって攻勢をかけるロシア軍だが、ウクライナ軍も必死の抵抗を続けている>
ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州のアウディーイウカに続き、近辺の集落も掌握するなど攻勢を強めている。これに対抗するウクライナ軍だが、アウディーイウカで行動中のロシア軍の歩兵部隊を、砲撃によって全滅させた様子を捉えたものだという新たな動画が浮上した。
■【動画】ロシア軍の「西進」を阻止できるか...ウクライナが砲撃で、歩兵部隊を「全滅」させた瞬間の映像
ウクライナ軍第3独立強襲旅団は3月4日に発表した声明で、暗闇に紛れて木々の間を通って移動するロシア軍の歩兵部隊を、飛行中のドローンが見つけたと述べた。
その後、第3独立強襲旅団の自走砲部隊がロシア軍の拠点に向けて砲撃を行い、それによってアウディーイウカの近くが「焦土」と化したということだ。ウクライナ軍はその後、この攻撃のもようを捉えたとみられる暗視カメラ映像を共有した。
本誌はこの動画の信ぴょう性を独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。
ロシア軍はアウディーイウカを制圧して以降、西に向かって攻勢を強めている。親ロ派の武装勢力が活動していたアウディーイウカは10年前から戦闘が続き、ウクライナ軍の要衝と考えられていた。そのアウディーイウカ制圧はロシア軍にとって、ドネツク州の激戦地バフムトを制圧して以来の大きな勝利だった。
アウディーイウカ周辺で攻勢を強めるロシア軍
ウクライナ軍はアウディーイウカから撤退してからのこの数週間の間に、アウディーイウカの西にあるステポベやラストチキン、シェベルネなど複数の集落から撤退したことを明らかにしている。英政府は先週発表した戦況分析の中で、これらの集落制圧が、アウディーイウカ周辺でのロシア軍の足場固めに役立つとの見方を示していた。
英国防省は2月29日にソーシャルメディア上に投稿した新たな戦況分析の中で、「ロシア軍はウクライナ軍が防衛の拠点にできる固定された、要塞化された拠点や都市部の地域が少ないことを利用して、アウディーイウカ周辺で勢いをつけたいと考えている可能性が高い」と述べた。
ウクライナはアウディーイウカ西方で防御態勢を取ろうと迅速に動いたものの、ニューヨーク・タイムズ紙が週末に公開した衛星画像からは、ウクライナがロシア軍の進路で高品質かつ強固な防衛を構築することに失敗したらしいことが伺える。