最新記事
ウクライナ戦争

ロシア主力戦車を「一瞬で灰燼に帰す」ウクライナ軍ドローン攻撃の瞬間...T-72B3が跡形もなくバラバラに

Russian Tank Disappears in 'Catastrophic' Detonation: Ukraine Video

2024年1月27日(土)19時36分
デービッド・ブレナン
ロシアの主力戦車T-72B3

ロシアの主力戦車T-72B3(2019年5月) Shamil Zhumatov-Reuters

<ウクライナのFPVドローンによる攻撃で、ロシア主力戦車T-72B3が大爆発。「一瞬で灰燼に帰した」映像を公開>

ウクライナ南部と東部の約965キロにわたる戦線での戦闘で、損失が拡大しているロシア。1月23日には、東部ドネツク地方での激しい戦闘で、ロシア軍の主力戦車T-72B3が破壊される様子を捉えた動画が、ウクライナの第10軍団によって撮影された。ドローン攻撃によってロシア軍戦車が大爆発を起こし、一瞬で粉々に砕け散る瞬間の動画は、SNSを通じて拡散されている。

■【動画】ウクライナ軍が公開したドローン攻撃の「衝撃的な威力」...ロシア「主力戦車」が大爆発、跡形もなくなる瞬間

ウクライナ第10軍団が「朝の挨拶」と称したこの攻撃は、FPV(一人称視点)ドローンを使って行われた。オープンソース・インテリジェンス(公開情報を分析して諜報活動を行うこと)の専門サイト「オシント・テニクカル」はX(旧Twitter)で、この攻撃により「壊滅的な弾薬の爆発」を引き起こしたと説明した。

ウクライナ国防省もXでこの映像を公開し、ロシアの戦車が「FPVドローンの攻撃を受け、一瞬にして灰じんに帰した」と述べた。

オシント・テニクカルによれば、この映像はドネツク州で撮影されたものだ。同州は2014年以降、ロシアとウクライナとの紛争の中心地となっており、2022年2月にロシアによる本格的な侵攻が始まってからは激しい戦闘が繰り広げられている。

第10軍団が現在活動している正確な位置は明らかにされていない。しかし、ウクライナ中部ポルタバに本部を置くこの部隊は、同国が昨夏に実施し、失敗に終わった南東部での反転攻勢に参加し、ザポリージャ州とドネツク州で戦ったことが知られている。

ウクライナ軍は春に向けて挽回の準備を進める

ウクライナ軍は、昨夏の作戦の失敗を受けて、「積極的防衛」に転じている。弾薬が不足し、欧米諸国からの支援は停滞し、ロシア軍が疲弊している兆候もない中、冬から春先にかけて挽回する準備をしている。

対するロシア軍は、冬に入ってからも新たな領土を目指して前進している。ドネツク州の要衝アウディーイウカ(旧アフディフカ)を孤立させ、占領しようとしている一方、破壊されたバフムト周辺では漸進的な前進を続けている。

ロシア軍の死傷者は多数に上っているとみられる。英国防省は先月、高い消耗率が続いていることは、「2022年9月の予備役の『部分動員』以来、ロシア軍が劣化し、質より量の大衆軍に移行していることを示唆している」と指摘した。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ住民の50%超が不公平な和平を懸念=世論

ワールド

北朝鮮、日米のミサイル共同生産合意を批判 「安保リ

ビジネス

相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表

ビジネス

EQT、日本の不動産部門責任者にKKR幹部を任命
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中