デサンティス撤退、ヘイリーはトランプと一騎打ちの機会を手にした ニューハンプシャー州予備選
米東部ニューハンプシャー州で23日に開かれる共和党の大統領候補者指名に向けた予備選は、トランプ前大統領(写真)とヘイリー元国連大使による一騎打ちという興味深い構図となった。写真は同州コンコードで19日撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)
米東部ニューハンプシャー州で23日に開かれる共和党の大統領候補者指名に向けた予備選は、トランプ前大統領とヘイリー元国連大使による一騎打ちという興味深い構図となった。
首位を走るトランプ氏にとっては、指名獲得への勢いが止まらないことを示す好機となり得る一方、挑戦者のヘイリー氏にとってもトランプ氏のもろさを浮き彫りにするチャンスになり得る。
トランプ氏は先週行われたアイオワ州の党員集会でヘイリー氏とデサンティス・フロリダ州知事を30ポイント差で退けたが、ニューハンプシャー州の予備選はもっと接戦になると予想されている。デサンティス氏は21日に選挙戦からの撤退を表明。ヘイリー氏は以前から望んでいた一騎打ちの機会を手に入れた。
トランプ氏とヘイリー氏、両陣営のニューハンプシャー予備選における勝機とリスクをまとめた。
<トランプ陣営>
トランプ氏は予備選に向けてニューハンプシャー州でほぼ毎日のように集会を開き、聴衆が詰めかけている。同氏は通常、開催場所を選んで集会を開きたがるが、今回は極めて慌ただしいペース。その理由は単純で、トランプ氏が強く望んでいるからだ。
トランプ氏陣営は、ヘイリー氏陣営や同氏を支持する有権者、同氏の寄付者、そして選挙戦を報道するメディアに対して、勝負は終わり、候補者はトランプ氏だと認めさせたいと考えている。流れは自分だ、諦めろというわけだ。
トランプ氏がヘイリー氏に大差で勝てば、そうした目的達成に大きな追い風となりそうだ。
逆にニューハンプシャー選が僅差で終われば、共和党の有権者のかなりの数がまだ他の候補者を探しているという逆のシグナルになることも、トランプ氏陣営は分かっている。
その場合、ヘイリー氏は以前知事を務めていた地元サウスカロライナ州で来月行われる予備選に向けて勢いを増しそうだ。資金も集まり続け、選挙戦に踏みとどまることになる。
これはトランプ氏にとって最悪のシナリオだが、それでもトランプ氏が最有力であることに変わりはないだろう。
<ヘイリー陣営>
ニューハンプシャーの戦いでヘイリー氏が勝利すれば、政界に激震が走るだろう。逆転劇によって、トランプ氏が何カ月もにわたりまとってきた「勝って当然」というオーラが消え、党内の反トランプ勢力が勢いづく可能性がある。