「もう選択肢はない」とバイデンが判断した?...米英軍がフーシ派攻撃に踏み切ったことで、中東和平はさらに遠のく
2024年1月15日(月)13時52分
もしかするとバイデンは、好ましい選択肢が残っていないことを承知の上で、攻撃を実行したのかもしれない。
しかし、CIAの元中東担当分析官ブルース・ライデルは、状況を打開できる可能性のある選択肢が1つあると筆者に指摘する。それは「ガザの即時停戦」である。
フーシ派が紅海で商船を攻撃している真の動機がどうであれ、イスラエルのガザ攻撃に対する報復を理由として挙げている以上、ガザの停戦が実現すれば、商船攻撃を停止せざるを得なくなるかもしれない(ただしその場合、フーシ派は商船攻撃を正当化するための理由を別に考え出すかもしれないが)。
ガザで停戦を実現させようと思えば、バイデン政権は中東地域のリーダーたちにかなりの圧力をかける必要がある。
とりわけ、イスラム組織ハマスが人質を解放し、イスラエルが少なくとも独立したパレスチナ国家に関して交渉に応じることを停戦の内容とする場合は、それが不可欠だ。
イスラエルに圧力をかけて停戦に応じさせることは、米政府にとって容易でないかもしれない。
しかし、戦争がエスカレートして、より広く、より深く、より長い戦争に発展することを避けるためには、それ以外に道はない。