最新記事
ウクライナ戦争

「超兵器」ウクライナ自爆ドローンを相手に、「シャベル1本」で立ち向かうロシア兵の映像が注目集める

Russian soldier bashes drone with shovel after detonation failure: Video

2023年11月24日(金)17時33分
エリー・クック
ウクライナ軍のドローン

Alina Yarysh-Reuters

<ウクライナはドローンを「超兵器」と認識し、ドローン軍の増強に資源を投入。生産でも世界をリードすることを目指す>

ウクライナに侵攻するロシア軍にとって、大きな脅威となっているのがドローンだ。ドローンは今回の戦争で「兵器」としての性能の高さを見せつけており、高額な最新鋭の兵器でも対処が難しい様子を示す映像も多く存在する。そうしたなか、ロシアの拠点に接近したドローンを、1人のロシアの兵士がシャベルで叩き壊す動画が公開され、注目を集めている。

■【動画】「超兵器」ウクライナ自爆ドローンを相手に、「シャベル1本」で立ち向かうロシア兵の映像

オープンソース・インテリジェンス(公開情報を分析して諜報活動を行うこと)のアカウントなど複数のアカウントがインターネット上で共有した動画には、ロシア軍の兵士一人がウクライナ軍の自爆型FPV(一人称視点)ドローンを塹壕から引きずり出し、シャベルで叩きのめす様子が映っている。

動画はウクライナ東部のドネツクで撮影されたものとされているが、撮影時期や場所については確認することができなかった。どうやらロシアの拠点に攻撃を仕掛けたものの、爆発せず不発に終わったドローンだと見られる。本誌はこの件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ウクライナはドローンを「まさに超兵器」と評価

ウクライナは、ロシア軍の拠点に対する攻撃用や偵察用など、幅広い無人機を揃えた「ドローン軍」の増強にかなりの資源を投入してきた。ウクライナのドローンの第一人者であるミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル改革担当相は、ウクライナは「ドローン生産で世界をリードする存在」を目指していると述べた。

ウクライナが保有する大量のドローンの中には、自爆型FPVドローンや偵察用ドローンが含まれている。英シンクタンクの王立統合軍事研究所は9月に、ウクライナが1カ月に失うドローンの数は約1万機にのぼるとの推計を公表した。

ウクライナのアントン・ゲラシチェンコ内務省顧問は2月に本誌に対して、ドローンは「今回の戦いにおいて、まさに超兵器だ」と述べていた。あれから何カ月もの時間が経過したが、ウクライナ側の考えは変わっていない。

アナリストらは、ドローンの生産と使用についてはウクライナが先を行っているものの、ロシアもそれに追いつきつつあり、上空、地上と水中でドローンを活用するために資源を投じていると指摘している。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米経済のハードデータは堅調、関税の影響を懸念=シカ

ビジネス

相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表

ビジネス

TikTok米事業、アンドリーセン・ホロヴィッツが

ワールド

米・エジプト首脳が電話会談、ガザ問題など協議
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中