TikTokの「ゴミの女王」はポジティブニュースで終末論を吹き飛ばす
Sustainability Scientist Alaina Wood Is Leading the Charge Against Climate Doomism
エコ不安の流行に気付いたのは、コロナ禍のなかTikTokを見ていたときだった。タイムラインでは環境破壊のすさまじさを訴える動画が不安をあおり、若者が自殺願望を口にした。エコ不安でカウンセラーにかかった経験を持つウッドは、恐怖心が健康を損なうだけでなく環境活動に響くことを知っていた。
科学的でない動画の多さに注目した彼女は、終末論者に反論しようと21年に動画を投稿。国際社会が協力すれば、温暖化の最悪の影響は回避できるとする専門家の声を紹介した。
証明しろという抗議に答える形で再び動画を作り、今度は甚大な気候変動を軽減するのはまだ不可能ではないとした22年の国連報告書を引用した。この動画が拡散し、ウッドは本格的に活動を開始した。楽観論を垂れ流すなと批判されることもあるが、そんなときは「投稿は全て科学に基づいている」と言い返す。
ずばり「地球を救う」を目標に環境教育者の団体、エコトックも共同設立した。「戦っているのは私1人じゃないと常に自分に言い聞かせている」と、彼女は言う。「諦めるわけにはいかないから」