中国のレアメタル規制は不発に終わる...ロシアの禁輸に学ぶ5つの教訓
MORE BARK THAN BITE
中国が重要原材料の輸出を止めれば、中国政府の評判も甚だしく低下する。中国の経済プロジェクトは政治に左右されないと、政府は何度も表明してきた。しかし、その約束を自ら覆すようなら、そのダメージは大きく、深刻なものとなる。
禁輸措置で傷つくのは中国の企業だ。中国の輸出する重要原材料の大部分を買っているのは、ほんの一握りの豊かな国々。ロシアが今、誰も買いたがらない天然ガスを持て余しているように、中国も西側先進諸国に代わる重要原材料の買い手を見つけるのに苦労するだろう。
これらの原材料を使って欧米諸国で製造された部品を、中国の製造業者が購入するのも困難になる。西側の経済制裁や投資の引き揚げを防ぐには欧米企業との相互依存関係の維持が不可欠だが、それも難しくなってくるだろう。
だから、重要原材料を武器に西側諸国を脅しても無駄だ。脅すのはいいが、脅しを実行に移してはいけない。中国が本当にレアメタルの禁輸に踏み切れば、買い手の側は別の選択肢を考える。そこで潤うのは西側諸国の企業かもしれない。

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら