【ルポ】子供たちをロシアの「同化キャンプ」から取り戻す...ウクライナの母親たちがたどる過酷な旅路
THE KIDS AREN’T ALRIGHT
マルキナたちが向かった「ドルージュバ(ロシア語で友好の意)・キャンプ」には当時、数十人の子供が滞在していた。「子供たちがみんなして『ママ! ママ!』と叫んで大騒ぎになった。15分くらいずっとみんな抱き合って泣き続けた。お互いに体を離すことができなかった」とマルキナは言う。子供たちは最後に会った時より背が伸びていた。
ほんの1時間後には、一行はヤーナとイェバとユーラ、そして大半の子供たちを連れて帰途に就いた。だがオルガの2人の孫も含め、14人ほどの子供たちは、近親者がいなかったため連れて帰れなかった。セーブ・ウクライナは、残る子供たちの救出作戦に向けて動くことになった。
帰ってきた子供たちとその家族の多くはひとまず、キーウで心身を休めた。故郷のヘルソンの復興はまだ道半ば。ロシアからの砲撃がやんだわけでもない。「キャンプにいいところがあったとすれば、前線からずっと離れていて爆撃もなかったこと」と、ヤーナは言う。
「今はヘルソンに帰るのが怖い。砲撃が頻繁にあるから」とユーラは語った。「(砲撃は)すごく怖いだろうと思う。でもふるさとだからね。きっと慣れていくよ」
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