最新記事
セクハラ

DJ SODAが衝撃告白「6歳の時、性暴力を受けた。なぜセクハラ被害者に原因追及をするのか?」

2023年8月23日(水)21時37分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
韓国の美人DJ、DJ SODA

香港でのプレイ後にファンのスマホでセルフィーを一緒に撮影するDJ SODA DJ SODA OFFICIAL / YouTube

<彼女が望んでいたものとは違う形で名前が知られるようになったが──>

8月13日に大阪で行われた野外音楽フェスでセクハラ被害を受けた韓国の女性DJ SODAをめぐって、ワイドショーやネットでの議論が続いている。

そんななか、DJ SODA自身が事件が発生した野外音楽フェスの運営会社との連名で声明をSNSに投稿、事件に関連してSNSのコメントなどで2次被害ともいえる誹謗中傷が続いていることへの悔しさを綴る一方、セクハラ被害について告発することへの思いを語った。

大阪の野外フェスで起きた事件

事件は8月11〜13日まで大阪・泉南りんくう公園で開催された野外音楽フェス「ミュージックサーカス'23」で、DJ SODAが参加した13日に発生した。

DJ SODAは、自分の公演が終わると、いつも彼女がやっているようにファンとコミュニケーションしようとステージ前のスタンディング席で近くへやってきたとき、「いつものようにファンの方々に近づいた時、数人が突然私の胸を触ってくるというセクハラを受けました」。

彼女は「DJをしてから10年立ちますが公演中にこんなことをされたことは人生で初めてです。(原文ママ)」として、「こんなことをされたことにとても戸惑って信じられないし、もう舞台の下や前の方に行ってファンの皆さんに近寄りがたいと思っています...」とSNSに投稿した。

この事件は日本はもちろん、韓国でも大きく取り上げられ、野外音楽フェスの運営会社TyrHard Japanが21日に不同意わいせつと暴行の容疑で男性2人と女性1人を容疑者不詳のまま告発状を提出。2人の男性についてはその日のうちに警察に出頭し、任意の取り調べに対して「大変申し訳ない」「酒を飲み、その勢いで近づいた」「軽い気持ちでやった」と供述したという。一方で、大阪府警は女性についても捜査を続けている。

ネットで渦巻く批判にDJ SODAは......

こうした流れの中で、ネットを中心に被害を受けたDJ SODAへ誹謗中傷ともいえる批判が続いている。「露出の激しい服を着ている方が問題」「触られたくないなら近づくな」「警備体制に問題がある」......。

こうした状況に対してDJ SODAがフェスの運営会社TyrHard Japanとの連名の声明を画像でSNSに投稿。それに添えた文章で、性暴力被害を告発した理由を告白した。

そのなかでDJ SODAは「私が6歳の時、両親は共働きで家に1人でいた私は強盗に性暴力を受けた。その時の私は両親が傷つくのではないかと、強盗が入ろうとしたがドアが開かなかったと嘘をついた。その時の衝撃で場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)にかかり、今までこの事実を誰にも話さず、隠しながら生きてきた」と告白。さらに「2018年韓国のスペクトラムフェスティバルに遊びに行った際にVIPにいたとある男性にセクハラを受けた。人生を生きながら何度もセクハラや性的発言の被害を受けてきて、私はこういうことが起きても何事もなかったかのように隠して生きなければならないと思った」と悔しさをにじませた。

一方で、「しかしもうこれ以上逃げたり隠れたりしない。これを無視することはまた別の人が被害者にならざるを得ないからだ。今回の出来事で今後の日本での活動の際には支障をきたすし、フェスティバル側に嫌われて仕事が入らなくなるのではないかという心配もした。しかし光栄にもミュージックサーカス主催側から全ての支援をしていただけると約束をしていただき、Tryhardにこの事件の全てを委ね任せることにした」と加害者を告発にいたった経緯を説明した。

さらにDJ SODAは自分に対する2次的加害についても触れて「服装と性犯罪の被害は絶対に関係がないので、絶対に被害者を問題と考えて責任転嫁してはいけない。原因は露出が多いセクシーな服装ではなく加害者である。原因を被害者に間違いを向けるこの社会が非常に悲しい」と述べた。

そしてコメントの最後を次のような言葉で締めくくっている。

「このような中でも理解してくれる人も多いことも分かったし、私を応援してくれる方や、今回の件で力になったと被害者達からのメッセージもたくさん受けた。
私の小さな声が被害者に少しでも力になればと思う。私みたいな人がこういう方法でも少しでも声を出せばいつか社会の認識が少しでも変わるのではないか」

>>【動画】セクハラ被害を受けるDJ SODA

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中