「ザルすぎる」アメリカの対中制裁──米連邦政府職員の年金を「制裁対象」中国企業が運用している
THE CHINA LOOPHOLE
アメリカの制裁制度の狙いは、アメリカの国家安全保障と外交政策を脅かす活動か、麻薬密売や核拡散など違法行為に関与している組織の資金を枯渇させること。中国以外にもロシア、イラン、北朝鮮、パキスタンなどの企業が制裁を科されている。
だが昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻の直前に中国とロシアが「無制限」のパートナーシップを発表したことに加え、中国政府による台湾への軍事的威嚇やサイバー攻撃、技術窃盗(中国側は否定)をめぐっても米中関係が悪化し、制裁リストに載る中国企業は増えている。
しかし数十(一説には50以上)の制裁リストとプログラムを管理する政府機関はばらばらで、企業との接触を全面禁止するのは財務省のSDNリストのみ。国防総省や商務省などのリストに載っていてもSDNリストに入っていなければ取引はできる。だから米政府の制裁対象になっている企業でもアメリカの国民や市場は取引可能というわけだ。
中央レベルでの調整は皆無
その一方で、アメリカは拡大する地政学的リスクを管理し、対中投資を続けたい投資会社も満足させるという離れ業にも挑戦している。
「中国もロシアも状況ははるかに複雑になっている」と、米ジョージタウン大学アジア法律センターのフェローで香港の人権活動家のサミュエル・ビケットは言う。「米政府は中国を罰したいが投資家の機嫌も損ねたくないのだ」
本誌は在米中国大使館と中国外務省に、こうした「脱中国」圧力についてコメントを求めたが、回答は得られなかった。
中国政府は、中国企業に対するアメリカの制裁は政治的でありグローバル・サプライチェーンに影響すると警告し、台湾への武器売却を理由に米防衛企業に制裁も科している。
制裁対象の中国企業30社は国防総省や財務省や商務省などの9つのリストに掲載されていた。それ以外にウイグル強制労働防止法案のリストや、連邦通信委員会(FCC)のリストに掲載されている企業もある。
キロ・アルファ・ストラテジーズによる分析の結果、さらに2社が知的財産の窃盗や脱税の疑いでアメリカの調査対象となっており、5社が強制労働など制裁対象になり得る活動でNGOに非難されていた。
制裁対象となっている中国企業は、航空エンジンを開発・製造する中国航空発動機集団(AECC)、国有航空宇宙企業の中国航空工業集団(AVIC)など。
AECCの主要株主であるAVICは中国国務院の国有資産監督管理委員会(SASAC)の監督下にある国有経済の要だ。AECCは11のファンドに含まれていたが米財務省の非SDNリストに掲載され、AVICは米国防総省のリストに載っている(両社はこの件についてノーコメント)。
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