「多様性」「持続可能性」を促進...F1ステファノ・ドメニカリCEOに聞く、若い新規ファンの獲得戦略
DRIVE TO WIN
F1の営業マンとして、ドメニカリは貪欲に新しい手法を模索している。期待をかけるのがハリウッド映画だ。ブラッド・ピットがレーサーに扮する新作で、『トップガン マーヴェリック』の監督ジョセフ・コジンスキーとジェリー・ブラッカイマーが共同で製作に当たり、ルイス・ハミルトンも協力するという。アクションをできるだけリアルにするため、7月のイギリスGP開催時に撮影する予定だ。引退した元F1レーサーが若手育成のため現場に戻るという筋書きで、アップル・オリジナル・フィルムズが推定1億4000万ドルの製作費を投じる。
「いろんな人に興味を持ってもらう必要がある。だからあらゆるプラットフォームでF1の魅力を発信したい」とドメニカリは言う。「(1950年に最初のF1レースを開催した聖地)シルバーストーンで映画を撮るのは前代未聞」だ。実現すればボイルの言う「ただ車の疾走を観察するだけ」ではないF1の魅力がまた一つ増えるだろう。
最後にドメニカリは言った。「F1は面白いと、みんなに実感してもらいたい。モータースポーツならではの激しさに触れてほしい。応援するチームやドライバーは異なっても、同じ熱い思いをみんなでシェアする。それが私たちの願いだ」