最新記事
英王室

敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大2000万ドルも 「Netflixで稼いだ金を全部つぎ込むようなもの」

Prince Harry Could Lose Up to $20 Million if All His Lawsuits Fail—Lawyer

2023年6月3日(土)20時00分
ジャック・ロイストン
ヘンリー王子とメーガン妃

ヘンリー王子とメーガン妃(2021年9月) Andrew Kelly-REUTERS

<ヘンリー王子が抱える6件の訴訟のうち最初の1件で敗訴。ほかでも勝てなければ膨大な支払いに追われることになると英弁護士が指摘>

英国のヘンリー王子は現在複数の訴訟を抱えているが、たとえ勝ったとしてもそれらにかかる費用は数百万ドルに達する見通しだ。そして仮にすべて負けた場合には、最大2000万ドルを支払わなければならなくなる可能性があるという。

■【写真】メーガン妃が「誰にも見せたくなかった写真」として公開された1枚

ヘンリー王子は5月23日、最初の訴訟で敗訴した。これにより残り5件の行方についても暗雲が立ち込めている。ヘンリー王子が警察による護衛を復活させるため、個人的に費用を支払うことはできないという英内務省の決定について、英高等法院は、ヘンリー王子が訴訟を起こす根拠はないという判決を下した。ヘンリー王子は、英国王室の公務から引退した後、英ロンドン警視庁の護衛を受ける権利を剥奪され、これを復活させようと動いてきた。

しかしこの訴訟は、英王立裁判所で進行している6つの訴訟の一つにすぎず、残りの訴訟も全敗した場合、巨額の訴訟費用が発生する可能性がある。

ヘンリー王子にのしかかる訴訟費用

英ハワード・ケネディー法律事務所の弁護士マーク・スティーブンズは本誌の取材に対し、ヘンリー王子は、たとえ勝訴しても赤字になる可能性があるが、もしすべての訴訟で敗訴したら、訴訟費用の請求は1500万から2000万ドルに達すると予想した。これは、ヘンリー王子が米カリフォルニア州に所有する豪邸の価格を上回る金額だ。

「ヘンリー王子は、ロンドン法曹界にお金をばらまくことを自ら選択したのだと思うし、私は弁護士としてその選択を歓迎する。ただし、それが賢明だったかどうかは別問題だ」とスティーブンズは話す。

スティーブンズは次のように続ける。「誰でも訴訟を起こす権利はあるが、彼の場合は、たとえすべての訴訟に勝ったとしても、赤字になることは決まっている。勝訴したとしても、費用の100%を回収できるわけではないからだ」

「回収できるのは60~70%といったところだろう。たとえば、ヘンリー王子がこれらの訴訟に600万ポンド(約10億円)から1000万ポンド(約17億円)を費やすとしよう。この場合、彼は600万ポンドを回収し、残りの部分についての費用を請求されることになる」

「そしてそれは、彼が多くの訴訟に勝利した場合の話だ。もし全敗すれば、彼はさらに600万ポンドを支払わなければならない」

たとえスティーブンズの見積もりのうち最も低い金額になったとしても、ヘンリー王子は1200万ポンドを支払わなければならない。ヘンリー王子とメーガン妃は、カリフォルニア州モンテシートの邸宅を1470万ドル(約1180万ポンド)で購入したが、それ以上の金額を請求されるということだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ブラックストーン、10─12月手数料収入が過去最高

ビジネス

USスチール、第4四半期決算は減収・赤字 需要環境

ワールド

ロシア、ウクライナの集合住宅にドローン攻撃 9人死

ビジネス

米UPSの25年売上高、アマゾン配送50%超削減で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中