「トランプがプーチンにすり寄るのはとうてい支持できない」 共和党支持のウクライナ系米国人、大統領選で苦渋の選択へ
近日中に大統領選への出馬を表明するとみられるデサンティス氏は、バイデン政権がウクライナ政府支援のために「白紙小切手」を切っていると過去に批判。「ウクライナとロシアの領土紛争にこれ以上巻き込まれる」ことは米国にとって重要な国益ではないと述べている。
ウクライナ侵攻についてトランプ、デサンティス両氏にコメントを求めたが回答はなく、共和党全国委員会も回答しなかった。
ウクライナ政府への支援を公約している共和党大統領候補としては、ニッキー・ヘイリー前国連大使などがいるが、世論調査では支持率が伸び悩んでいる。
決定打となりうる層
ペンシルベニア州では、約9万2000人が自らをウクライナ系米国人であるとしている。ロイターの分析によれば、2016年にトランプ氏が同州で勝利を収めたときの得票差4万4000票の2倍以上、また2020年にバイデン氏が勝利したときの得票差8万1000票も上回っている。ミシガン州には約3万1000人のウクライナ系住民がいるが、これも2016年にトランプ氏が勝利したときの得票差約1万1000票より多い。
ウクライナ系住民コミュニティーの規模が、中間選挙で勝敗を分けた得票差を上回ることが確認された選挙区は、ニューヨーク、ペンシルベニア、ミシガン、ワシントン、コネティカット、カリフォルニア、コロラド州にある。これら13選挙区での共和・民主両党の勝敗はほぼ互角だった。
国勢調査局は毎年実施する全国規模の調査に基づいて、ウクライナ系米国人の人口を推測している。このデータからは、ほとんどの州及び選挙区において、ウクライナ系だとする住民についての年齢情報が得られないものの、同局では、ウクライナ系米国人全体の約5分の4が選挙権を有する年齢だとしている。
ストーニチジさんが暮らすペンシルベニア州東部の炭鉱地帯では、共和・民主両党がつばぜり合いの激戦を展開してきた。ウクライナ系の人口が10%を超える街もある。
民主党のスーザン・ワイルド下院議員は2022年、ストーニチジさんの選挙区を500票に満たない得票差で制しており、ウクライナ系住民の票を獲得することは非常に重要だと話している。
ワイルド下院議員は定期的に地元のウクライナ系住民コミュニティーと連絡を取っており、昨年の選挙では、同議員の陣営に献金し、電話ボランティアに参加した住民もいた。
「私が経験したように僅差で勝ち抜いた選挙戦を考えると、有権者のごく一部であっても大きな違いが生まれる」
「ペンシルベニアでは確実にそこで差がつくだろう」