極右と極左の呉越同舟──多すぎて複雑な「反プーチン派」の正体について
Homegrown Rebels
ロシア当局者によれば、民間人2人を殺害した。ネット上で公開された動画には、2人の工作員が自分たちは妨害工作のためではなく、ロシア人を解放するために来たと主張する様子が映っている。彼らはロシア人住民に対し、武器を取ってプーチンと戦うよう呼びかけ、「クレムリンの独裁者に死を」と言った。
ポプコフは、BOAKもRVCもロスパルチザンとの関係はないものの、極左と極右の両方が抵抗運動の一部になっていることは驚くには当たらないと説明。プーチン政権は「絶対的な悪」であり、「それに反対する幅広い人々を結集させている」と言う。
ポプコフもポノマレフも、平和的な手段は結果が出ておらず、武力による抵抗運動を展開すべき時が来たと考えている。しかし治安部隊が締め付けを強めている社会では、武力による抵抗運動が成功する可能性は低そうだ。
ロシアの少数民族を代表する反体制派組織「自由ブリヤート基金」のアレクサンドラ・ガルマツァポワ代表は、ロシア政府から外国人工作員に指定され、チェコに逃れることになった。
チェコの首都プラハから取材に応じた彼女は、自分は「暴力には反対」で、武力による抵抗運動はうまくいかないという見方を示した。FSBが「強い主導権を握っている」からだ。
「ロシアでは誰であれ、簡単に爆破を実行することはできない」と、彼女は言う。「それを実行するのは、見かけよりもはるかに難しい」
それよりさらに難しいのが、ロシア政治の道筋を変えることだ。攻撃はさんざん行われてきた。だが、ウクライナでの戦争に大きな変化はない。