ウクライナが手に入れた英「ストームシャドウ」ミサイルの実力は?
Ukraine's New 'Storm Shadow' Missile's Range, Power Compared to HIMARS
ストームシャドウがJDAMやHIMARSなどの兵器と一緒に使われるとしたら、それは「ウクライナ人が反撃可能になる範囲について、ロシアがもっと警戒しなければならない」ことを意味すると、英ロンドン大学キングスカレッジフリーマン航空宇宙研究所の共同ディレクター、デービッド・ジョーダンは11日に本誌に語った。
ストームシャドウの射程距離について、製造元のMBDAミサイル・システムズは約250キロメートル以上と発表しているが、ジョーダンによると、射程距離については議論があるという。
昨年からウクライナへの供与が開始されたアメリカのHIMARSの射程距離は約80キロメートルで、ウクライナ当局から称賛された。昨年6月、ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相は「強力な兵器だ」と大歓迎だった。
長距離誘導型ミサイルではアメリカのATACMSが有名だが、製造元のロッキード・マーティンによれば、最長で300キロメートルに達し、ストームシャドウ・ミサイルよりもう少し射程が長い。だがこれまでアメリカがウクライナに提供してきたミサイルにはそこまで射程の長いものはない。またステルス性能も備えている。
米シンクタンク、ケイトー研究所の政策アナリスト、ジョーダン・コーエンは以前、ストームシャドウ・ミサイルが「与える打撃は間違いなく大きい。ATACMSとほとんど変わらない」と本誌に語った。別掲の動画によれば、ストームシャドウは二重弾頭を備え、貫通力に優れている。最初の一撃で穴を開け、二発目で中を貫き爆発する。
軍事専門家によれば、ストームシャドウ・ミサイルはウクライナにとって、敵の司令部や弾薬庫、補給線などを標的とした攻撃に特に役立つという。
軍事専門家のデビッド・ハンブリングは以前、「ウクライナ軍の司令官はどこに新しいミサイルで攻撃すれば最大の効果が得られるかを判断する優れた情報を把握している可能性が高い」と本誌に語った。