中国、昨日の友は今日は敵? 調査船や沿岸警備隊などの船が南シナ海のロシア運営ガスブロックに侵入
5月10日、中国の調査船と沿岸警備隊の船2隻、漁船11隻が、ベトナム沖でロシアとベトナムの国営企業が運営するガスブロックに侵入したと、2つの監視団体が明らかにした。写真は2017年4月に南シナ海のスカボロー礁で撮影した中国沿岸警備隊の船(2023年 ロイター/Erik De Castro)
中国の調査船と沿岸警備隊の船2隻、漁船11隻が10日、ベトナム沖でロシアとベトナムの国営企業が運営するガスブロックに侵入したと、2つの監視団体が明らかにした。南シナ海で新たな火種になる可能性がある。
中国は南シナ海で領有権を主張しており、近隣国の排他的経済水域(EEZ)で最近、活動を活発化させている。ロシアのショイグ国防相は3月、ロシアと中国の強い関係は世界の安定を支える主要な要因だと述べているが、南シナ海においては利害が対立することもある。
ロイターが入手した監視データによると、中国の船舶はロシアのザルベジネフチとペトロベトナムの合弁会社ベトソフペトロの「04─03」ブロックに入り、日没の時点でまだその場所にとどまっていた。
また中国船は、出光興産傘下の出光オイルアンドガスが運営するブロック「05─1 B」「05─1 C」にも接近していた。
中国外務省はこれらの活動は「正常」と強調。「中国船は、中国の管轄下にある海域で通常の生産活動や作業活動を行っている」とした。