【米インド太平洋軍司令官】2027年だろうと今年だろうと、台湾有事には中国軍と「戦って勝つ」
China threat trending in "wrong direction," top Pacific commander warns
デービッドソンが唱える「6年以内」という予想は、一部では確定的な期限として扱われ、その上で台湾防衛においてアメリカが果たすべき役割が議論されている。
しかし米国防総省指導部は、アメリカや同盟諸国による継続的な抑止の取り組みが、中国の意思決定に決定的な影響を及ぼすと強調している。
ロイド・オースティン米国防長官は1月、中国が台湾周辺で軍事演習を活発化させているとの見方を示した上で、「侵攻が差し迫っていることを意味するかといえば、そうではないと思う」と述べた。
2022年11月にはコリン・カール国防次官(政策担当)が、台湾周辺での軍事衝突のリスクは依然として高いものの、中国が今後数年のうちに陸・海から台湾を攻撃する可能性はさほど高くないとの見方を示した。
CIAのウィリアム・バーンズ長官は、4月11日にヒューストンのライス大学で行った講演の中で、「台湾を支配したいという習近平の野心を過小評価すべきではない」と述べた。
「真剣に受け止めるべき問題」
バーンズはさらに、「少なくとも我々の評価では、習近平と中国軍の指導部は現在、許容可能なコストで台湾侵攻を成功させられるかどうか、疑念を抱いている」と指摘した上で、こう続けた。「台湾をめぐる軍事衝突が避けられないとは思っていない。だがCIAと米諜報コミュニティーが懸念しているのは、習が中国人民解放軍に対して、2027年までに台湾侵攻の準備をしておくよう指示したとみられることだ」
「だからといって、習が2027年、あるいはその前年か翌年に戦争を起こす決定を下したことにはならない。それでも、我々が真剣に受け止めるべき問題であることに変わりはない」