最新記事
台湾有事

【米インド太平洋軍司令官】2027年だろうと今年だろうと、台湾有事には中国軍と「戦って勝つ」

China threat trending in "wrong direction," top Pacific commander warns

2023年4月20日(木)17時00分
ジョン・フェン

デービッドソンが唱える「6年以内」という予想は、一部では確定的な期限として扱われ、その上で台湾防衛においてアメリカが果たすべき役割が議論されている。

しかし米国防総省指導部は、アメリカや同盟諸国による継続的な抑止の取り組みが、中国の意思決定に決定的な影響を及ぼすと強調している。

ロイド・オースティン米国防長官は1月、中国が台湾周辺で軍事演習を活発化させているとの見方を示した上で、「侵攻が差し迫っていることを意味するかといえば、そうではないと思う」と述べた。

2022年11月にはコリン・カール国防次官(政策担当)が、台湾周辺での軍事衝突のリスクは依然として高いものの、中国が今後数年のうちに陸・海から台湾を攻撃する可能性はさほど高くないとの見方を示した。

CIAのウィリアム・バーンズ長官は、4月11日にヒューストンのライス大学で行った講演の中で、「台湾を支配したいという習近平の野心を過小評価すべきではない」と述べた。

「真剣に受け止めるべき問題」

バーンズはさらに、「少なくとも我々の評価では、習近平と中国軍の指導部は現在、許容可能なコストで台湾侵攻を成功させられるかどうか、疑念を抱いている」と指摘した上で、こう続けた。「台湾をめぐる軍事衝突が避けられないとは思っていない。だがCIAと米諜報コミュニティーが懸念しているのは、習が中国人民解放軍に対して、2027年までに台湾侵攻の準備をしておくよう指示したとみられることだ」

「だからといって、習が2027年、あるいはその前年か翌年に戦争を起こす決定を下したことにはならない。それでも、我々が真剣に受け止めるべき問題であることに変わりはない」

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

対米輸出急減も、関税で二国間貿易に打撃=中国人民銀

ビジネス

ドイツGDP、第4四半期改定は前期比-0.2% 速

ワールド

韓国の高速道路建設現場で崩落事故、4人死亡・6人負

ビジネス

トヨタ、監査等委員会設置会社に 岡本元財務次官を社
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 2
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映像...嬉しそうな姿に感動する人が続出
  • 3
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 4
    見逃さないで...犬があなたを愛している「11のサイン…
  • 5
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 5
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 6
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 7
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中