【独占】反転攻勢への過剰な期待はウクライナに不幸を招く──駐英大使
Russia Has Achieved Key Goals in Ukraine, Says Diplomat
「今、ロシアは歴史的な転換点にいる。ロシアは求めていたものを手に入れた。クリミア半島とロシアを結ぶ道がケルチ橋(2014年のクリミア併合後に建設)だけでは、半島の住民200万人あまりの生活を支えられないことははっきりしていた」と、プリスタイコは言う。
「クリミアとロシア連邦は地理的に離れている。クリミアには水と、地域全体に電力を供給する大きな発電所が必要だった」
「私は最初から、ロシアの狙いはそれであり、ウクライナを攻撃した理由もそれだったと指摘してきた」と、プリスタイコは付け加えた。「ロシアはキーウまで獲るつもりはなかった。たまたまチャンスがあったので攻撃したが、そこまでする必要はなかったのだ」
<中略>
ウクライナは、西側の兵器、特に主力戦車のおかげで、今後の戦闘では優位に立てるのではないかと期待している。だが政治・軍事の指導者たちは、交渉や物資納入のペースが遅いこと、また提供を約束された戦車の数が比較的少ないことを不満に思っている。
「ウクライナの立場からすると、とても難しい状況だ」と、プリスタイコは言う。「何もかも、もっと速く、もっとうまくやれたはずなのに」
「春の反転攻勢には、もっと戦車が必要だ。今は限られた台数しかない。わが国の国防トップは300台を要求しているのに、送られてきたのは130台ほどだ。どの国も春の反攻作戦に大きな期待を寄せているのなら、なぜ一斉にこの作戦に大きく投資しないのか。なぜもう少し支援を増やせないのか」