自作自演? 反プーチン派が関与を否定する「カフェ爆破」とその背後
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タタルスキーを殺害したのは誰か ANTON VAGANOVーREUTERS
<ウクライナ攻撃を支持するイベントで起きた爆発事件。すぐに女性が拘束され、ウクライナの情報機関が関与したとロシア当局は主張するが、真偽はいかに>
4月2日、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクのカフェで爆発事件が発生し、ウクライナ攻撃を支持するイベントに登壇していた著名な軍事ブロガー、ウラドレン・タタルスキーが殺害された。
ロシア当局はウクライナの情報機関が関与したテロだとして、タタルスキーに爆発物入りの彫像を手渡した女性の身柄を拘束した。だが反政権派の組織「国民共和軍(NRA)」が4日に犯行声明を出し、この女性の関与を否定。外国からの支援も受けていないと主張している。
NRAによれば、最終的な目標は政権の転覆とプーチン大統領の暗殺だが、小規模の集団が集まった「草の根」組織にすぎないため、各集団が手近な標的を攻撃しているという。
もっとも、NRAが組織として機能しているかどうかは疑わしい。実際、専門家からは今回の犯行声明に懐疑的な声も上がっており、ロシアの情報機関やワグネルのような民間軍事組織が背後にいる可能性も指摘されている。