シーク教過激派に復活の足音...米英でインドの外交施設が破壊される事件
Fixing the Sikh Problem
地政学的に最悪の事態
インドはこれまでのところ、外交施設の破壊を招いた不十分な警備体制に、正式に抗議を申し立てるだけにとどまっている。だがシーク分離主義運動の抑え込みを図るなか、今後インドは、法を軽視しているのではとの欧米各国の懸念を解消しなければならない。
究極的には、欧米各国の指導者は政治的計算を脇に置き、シーク分離主義運動による暴力を非難するべきだ。さもなければ、欧米は都合が悪くなるとインドをないがしろにするという根強い(しかも、根拠がなくもない)見方を強化することになる。
テロ活動を長らく支援するパキスタンに、欧米が見せる甘い態度もインドは警戒している。過激なカリスタン運動に強い反対姿勢を示さなければ、インドのさらなる欧米離れを招く恐れがある。
地政学的見地からすれば、シーク分離主義運動の復興は最悪のタイミングで起きたと言える。米英やオーストラリア、カナダがインド太平洋地域で中国の封じ込めに軸足を移す今、シーク分離主義運動が拡大すれば、インドと欧米の関係は複雑化しかねない。
インドとの強固なパートナーシップ構築を望むなら、欧米は暗黙という形であろうと、自国内のシーク教徒市民による分離主義組織支援を許してはならない。
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