北朝鮮の「プリンセス」キム・ジュエ、栄養失調の国民よそに仏高級ブランドまとう
10歳にしてディオールを着こなす金主愛(キム・ジュエ) YTN / YouTube
<最近、秘密のベールから姿を見せはじめた少女は新たな独裁者か>
食糧難が深刻で多くの国民が栄養失調に苦しんでいる北朝鮮。だが、金正恩国務委員長の娘、金主愛(キム・ジュエ)にとっては、そんな国民の貧困は全く預かり知らないようで、公開された写真からはクリスチャン・ディオールのコートを来ていることが判明した。イーデイリー、YTNなどの韓国メディアが報じている。
3月16日、北朝鮮の朝鮮中央TVは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、火星17型を発射した翌日の17日、金正恩と娘のジュエが同行した写真を公開した。
このときジュエが着た黒いコートはフランスのクリスチャン・ディオールのものであることが分かった。フードが付いたこのコートはディオールの「キッズ・フード・ダウンジャケット」で、四角と菱形が重なったディオール特有のデザインが特徴だ。
これまでジュエは金ボタンの付いた黒のロングコートを着ていたが、今回初めて欧米のハイブランドの服を着た姿が確認された。
両親とも欧米の高級ブランドが大好き!?
ジュエの欧米の高級ブランドが好きなのは両親譲りなのかもしれない。金正恩の夫人李雪主(リ・ソルジュ)も数百万ウォンするディオールのハンドバックやティファニーのネックレスを付け、グッチやベルサーチのワンピースを着ることがたびたび目撃されている。
金正恩自身も2020年10月10日の党創建75周年記念閲兵式では、「人民に災難を乗り越えよう」と演説し、と演説し、愛民国民を愛する指導者像を演出をしたが、その日140万円もするスイスIWCのポートフィノ・オートマティック腕時計を付けていたことが確認され、海外メディアから批判された。
北朝鮮は国民には国産品の使用を奨励している。ブランドものの時計や洋服、アクセサリーなどの贅沢品は対北朝鮮制裁品目でもある。このような状況にあっても、今回のジュエの写真を通じて金一族が高級ブランド品の浪費を継続している姿が再び確認されたことになる。
韓国統一研究院のチョン·ウニ研究委員は「ブランド品かどうかは不確実だが、一応高級で洗練されたファッションとみられる」としたうえで、「一部反感もあり得るが、北朝鮮でも女性が経済的主体として影響力が大きくなっている状況で、羨望の対象としてキム・ジュエ氏を位置づける狙いがあるのかもしれない」と分析した。
一方、エリザベス・サルモン国連北朝鮮人権特別報告官は3月9日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に提出した報告書によると、北朝鮮では食糧難が深刻になり、全人口の42%くらいが栄養失調に苦しんでいることが把握された。
報告書では2019年から2021年の間に北朝鮮の人口の41.6%は、栄養失調で苦痛を強いられたものと推定され、「大半の家庭では一日三食を食べることが贅沢なものとなった」と明らかにしている。