クレムリンはプーチンの後継者探しを始めている──プーチン抜きで
Kremlin Already Searching for Putin's Replacement: Intelligence Official
ロシア大統領の椅子はいつまで? Sputnik/Mikhail Metzel/REUTERS
<ウクライナ侵攻の泥沼化で、ロシア国内のプーチン人気もじわじわ低下。すでに後継者探しの動きも見えてきた>
ウクライナの情報機関関係者によると、ウクライナ戦争への不満がロシア国内でも高まる中、ロシア政府はウラジーミル・プーチン大統領の後継者を探しているという。
プーチン大統領は2022年2月24日に、ウクライナに対する「特別軍事作戦」を開始。当時、ウクライナの軍事力は格段に劣ると認識されていたため、迅速な勝利を目指していた。だが西側の軍事援助によって強化されたウクライナの防衛力は予想をはるかに超え、ロシアの軍事的優位性はあやうくなった。
戦闘開始から1年以上経ったが、ロシアの侵攻は停滞を続けている。ウクライナは昨秋、ロシアに占領されていた数千平方キロの領土を奪還した。戦闘は依然としてウクライナ最東部に集中しており、バフムトの支配を狙うロシアの攻勢もここ数日は鈍化している。
ロシアの国民はこの戦争中、ほぼずっとプーチンを支持してきた。だが、損失が拡大し、ロシア軍が16万人以上の死者を出す中で、一部の人々が戦争にうんざりしている気配もある。
だからこそ、ロシア政府はプーチンの後継者を探していると、ウクライナは考えている。
害をもたらす存在に
ウクライナ軍事情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官は最近、後継者探しが行われているのは、「プーチンを囲む人の輪がどんどん小さくなっている」からだ、と語った。ユーソフによれば、プーチンはロシア国内でさえ「ますます害をもたらす存在」になっている。
「ロシア政府内部では、起きていることへの不満がますます高まっている」と、ユーソフは言う。「将来の見通しは暗くなるばかりだ。具体的に言うと、プーチン政権は地政学的に破滅的な状況を迎えるだろう。したがって、プーチンの後釜探しはすでに始まっている」
さらに、プーチンは最終的な後継者の選定にはもはや関与していないと付け加えた。ユーソフの発言は、17日に初めてツイッターに投稿され、ウクライナのアントン・ゲラシェンコ内相顧問が翻訳した。ユーソフは、プーチンの後継者候補の名前は挙げていない。
Search for Putin's successor is already in progress, and it's not Putin doing it - Andrii Yusov of @DI_Ukraine.
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) March 18, 2023
He added that people around Putin are growing increasingly dissatisfied with him and realize the perspectives of the geopolitical catastrophe. pic.twitter.com/RfGnEpj7aX
ロシアはユーソフの発言について公式にコメントしておらず、プーチンの更迭でロシア軍内部の問題が解決されるかどうかもわからない。プーチンに批判的な人々のなかには、プーチンが今回の侵攻を「戦争」ではなく「特別軍事作戦」に分類し、軍が完全な動員を開始するための権限を制限したことを批判する声もある。
だが専門家は、ウクライナ侵攻がうまくいかない原因は、他にもあると指摘している。特に冷え込む冬の間に、意欲のある兵士を確保するという難題や、軍のリーダーシップの問題などだ。
プーチンの未来が暗いものに見えるのは、国際刑事裁判所(ICC)が17日にウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑の容疑でプーチンの逮捕状を発行したからでもある。プーチンが実際に逮捕される可能性は低い。だが、ほとんどの国がICCの主権を認めているため、この逮捕状によってプーチンの海外渡航は大幅に制限されるだろう。
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