フィリピン名物「ジープニー」が消える日
当局は環境に優しい車両への切り替えを推進中 ALEJANDRO ERNESTOーPICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES
<運転手や事業主ら10万人以上が全土でストライキを実施>
ど派手な装飾の簡易乗合バス「ジープニー」は、フィリピン庶民の足として欠かせない交通手段だ。その運転手や事業主ら10万人以上が3月6日から1週間、全土でストライキを実施。マニラ首都圏だけで4万台以上のジープニーが姿を消し、学校や企業がオンラインへの切り替えを迫られるなど混乱が続いている。
ディーゼルエンジンを搭載したジープニーは環境負荷が大きく、大気汚染の元凶とされる。政府は2017年から電気自動車または欧州排ガス規制「ユーロ4」対応エンジンを搭載した車両への移行を進める「公的車両近代化プログラム」を推進してきた。
だが、基準を満たす車両の価格は従来の10倍以上。買い替えに補助金が支給されるとはいえ、低収入の運転手に払える額ではなく、抗議のストに踏み切った。
それでも彼らの声が当局に届く気配はない。サラ・ドゥテルテ副大統領は、ストは共産主義の反政府勢力に扇動された行為だと一蹴した。
From thediplomat.com