話題のプーチン「アゴ写真」に重大な誤り...それでも「最低3人」と根強い「影武者」説
マリウポリを訪問したプーチン(3月19日) Kremlin.ru/Handout via REUTERS
<「プーチンは影武者を使っている」の是非をめぐる議論が再燃する発端となったツイートには誤りが。それでも疑惑は繰り返し浮上する>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ロシア軍の侵攻によって占領したウクライナ南部の港湾都市マリウポリを訪問した際の映像や画像をきっかけに、プーチンの「影武者説」が再燃している。特に、時期によって形状が異なっているように見える「アゴ」に注目が集まった。
■【写真】プーチン「影武者」説を再燃させた「顎」の比較写真...しかし撮影時期に重大な誤りが
ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問は、プーチンのアゴの部分を丸で囲んだ横顔の写真を3点並べてツイッターに投稿し、「あなたはどれが本物だと思うか?」と問いかけた。画像に付けられたキャプションはそれぞれの写真の撮影日について、右から3月19日にマリウポリで、3月18日にクリミアのセバストポリで、2月21日にモスクワで、としている。
これを見た人々からは、「2月のプーチンはアゴが3月の写真よりずっと引き締まっている」との指摘や、それぞれの髪の生え際が「同じに見えない」といった声も寄せられた。ウクライナ軍情報部のアンドリー・ユソフも、同国のキエフ・ポスト紙に「プーチンのように見える男がマリウポルを訪れた」と語った。
だが、このツイートには誤りがあった。左端の写真、つまり他の2枚の1カ月前に撮られたものとされている写真は、実際には今から3年以上前にあたる2020年2月に撮影されたものだとロイターが報じている。ゲラシチェンコ顧問がこの写真のキャプションを間違って記載したのが、意図的だったのかミスだったのかは分からない。
いずれにせよ、プーチンの「影武者説」はウクライナ侵攻が始まって以降、繰り返し浮上するものの決定的な証拠はない、というのが現状だ。例えば元ロシア軍情報将校のイーゴリ・ギルキンは、一般市民と対面しているプーチンは「偽物だ」と以前から主張している。
ウクライナ軍幹部も「見抜くのは難しい」
ウクライナ国防省の情報機関トップであるキリロ・ブダノフも昨年、プーチンには少なくと
も影武者が3人おり、プーチンに似せるために整形手術を受けていると述べた。
ウクライナ軍幹部のバディム・スキビツキーも、プーチンが影武者を使っていると主張しており、「本物のプーチンなのか、彼の代わりの人物なのか、見抜くのが難しいことがある」と語っている。