最新記事

人種差別

女子の顔を黒のスプレーで塗り「お前は奴隷」...米高校の凄惨「いじめ」が動画で発覚

2023年2月17日(金)18時23分
ヤスミン・ティンワラ
アメリカの高校(イメージ画像)

(イメージ画像)Monkey Business Images-Shutterstock

<今月が「黒人歴史月間」であることまで差別といじめのネタにした白人生徒たちに対し、当局が調査を開始した>

アメリカでは2月1日から3月1日までを、アフリカ系アメリカ人に敬意を表する「黒人歴史月間」としている。だがそのさなか、ペンシルベニア州の高校で撮影された白人生徒による女生徒への人種差別的な「いじめ」の動画や画像がインターネット上に複数出回り、当局が同州フィラデルフィアにあるセント・ヒューバート・カトリック高校(女子高)の生徒3人を調査する事態となった。

■【動画】女生徒の顔をスプレーで黒く塗って大笑いする白人生徒たちの「差別いじめ」

学校側が動画の存在に気づいたのは、2月14日のこと。その後、問題の動画や画像は削除されたものの、その後も別のユーザーが撮ったスクリーンショットや録画がソーシャルメディア上に出回っている。

地元NBC10の報道によれば、ある動画には、白人の少女が別の少女の顔に黒い塗料をスプレーで吹きつけながら「あんたは黒人でしょう。2月だから、自分のルーツが分かっているでしょう!」と叫ぶ様子が映っている。白人少女はさらに、「お前は奴隷以外の何物でもない」と言っている。

一連の動画の中には、一人の白人少女が顔を黒く塗り、もう一人の白人少女が人種差別的な言葉やN-word(黒人を指す蔑称)を口にする様子が映っているものもあった。CBSは、動画の中の少女が頭に(黒人がよく頭に巻く薄い生地の)バンダナを巻き、「私はバンダナを巻いているから、(黒人の蔑称)を口にしていいんだ」と言ったり、「私は黒人であることに誇りを持っている」と言ったりしたと報じた。

学校側は「人種差別は大罪」と処分を検討

学校とフィラデルフィア司教区がこの問題について調査を行っており、一連の動画に関与した生徒たちは、調査が終了するまで自宅待機処分となっている。学校側は声明を発表し、この問題に対して必要な措置を取ると約束した。

同高校の運営管理者であるリザン・パンドとジーナ・マッケンジーは共同で発表した声明の中で、「当校は人種差別を大罪と考えている」と述べ、さらにこう続けた。「私たちの心の中に人種差別が入り込む隙間はなく、セント・ヒューバートはそのような言動を決して許さない」

声明はさらに「セント・ヒューバートと関連のある者が、私たちの価値観とはまったく異なるそのような行動を取ったことに、大きな失望を感じている」と述べ、こうつけ加えた。「関与した者たちは、当校の規則に従って処分を受けることになる」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジ・メディアHD、業績下方修正 フジテレビの広告

ビジネス

武田薬、通期の営業益3440億円に上方修正 市場予

ビジネス

ドイツ銀行、第4四半期は予想以上の減益 コスト削減

ビジネス

キヤノン、メディカル事業で1651億円減損 前12
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 7
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 9
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中