国家「ナンバー2」フック前首相が突然消えた、ベトナムの「自浄作用」と輸出依存型の不安な経済
Accountability Matters
今回の辞任劇は、ベトナムが重要な経済的および社会的課題に直面している時期に重なった。22年のGDP成長率は8%を超え、東南アジアで最も好調な経済の1つであるにもかかわらず、ベトナムは潜在的な世界不況と生活費の上昇という逆風にさらされている。
ベトナム経済は、22年は輸出と国内消費に牽引されて回復したが、依然として輸出に依存し、世界の市場環境の変化に対して脆弱である。アメリカやヨーロッパなど主要市場が生活費急騰の危機に直面し、ロシアのウクライナ侵攻や中国国民の国外への渡航再開で不透明感が高まるなか、輸出偏重のベトナム経済は下振れリスクを抱えている。
この点で、フックの辞任はベトナムの経済状況の不透明さと予測不可能性に拍車をかけるだろう。新しい国家主席の選出は、共産党が国を動かしたい方向性や、現在の課題にどのように対処するかについて、さらには国の将来の成長と発展をめぐる立場を確認する機会になる。
チョン党書記長の反腐敗キャンペーンは、ベトナムの政治をより興味深く、しかしより予測不可能なものにした。今回の辞任ドミノがベトナムの国内政策と外交政策に、政治と経済の将来に、どのような影響を及ぼすことになるのか。今後数カ月の動向を注意深く見守る必要がある。
From thediplomat.com