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英王室ヘンリー&メーガン「王室批判ビジネス」ついに限界? 米国民にも「飽き」の気配が
His Side of the Story
『スペア』の宣伝ポスター(ロンドン、1月9日) Peter Nicholls-Reuters
<公務を捨てて英王室ネタで稼ぎまくるヘンリー&メーガン夫妻だが、家族の話を商売にできるのも自伝『スペア』出版が最後か>
1月10日、英王室を離脱したヘンリー王子(サセックス公爵)の暴露的な自伝『スペア』が発売された。自分はしょせん王位継承の「スペア(予備)」だったという自虐的なタイトルだ。
もちろん飛ぶように売れたが、スペインで「間違って」先行発売され、その内容が詳しく報じられたせいで、王子の好感度は奈落の底へ落ちた。まあ、自業自得だろう。
かつてのヘンリーは人気者だった。優等生の兄ウィリアムと違い、ヘンリーはいたずらっ子でちゃめっ気もあった。
アメリカ人で黒人の血を引くメーガン・マークルと婚約した時点(2017年末)で、英国内での彼の好感度は81%。エリザベス女王や兄ウィリアムに負けない数字だった。
メーガン妃に対する大衆紙のネガティブな報道に苦言を呈した19年にも、イギリスの世論調査機関ユーガブの調べで、彼は72%の好感度を維持していた。ただしメーガン妃が「好き」は54%、「嫌い」は34%で、フィリップ殿下(女王の夫)や父チャールズ(現国王)といい勝負だった(それでも現王妃のカミラよりは常に上だった)。
公務を離脱すると2人の人気は急落したが、それでもヘンリーを「好き」な人は「嫌い」な人より多かった。20年にはアメリカで新生活をスタートさせ、「芸能人」としてメディアと契約し、莫大な金を稼ぐことになった。
しかし21年3月、アメリカの著名司会者オプラ・ウィンフリーによるインタビュー特番が放送されると、英国内ではヘンリーを「嫌い」な人が「好き」な人よりも多くなった。放送の直前までは「好き」が53%、「嫌い」が41%だったが、逆転した。以後、再逆転はほぼ起きていない。
ユーガブの月次調査で見ると、21年8月段階では「好き」が34%で、「嫌い」が59%だった。そして『スペア』発売直前(1月6日)の好感度は26%にまで落ちていた。
「チェスの駒」を殺したとの暴言も
ちなみにアメリカでは、まだヘンリーもメーガンも一定の人気を維持している。ただしケイト・ミドルトン(皇太子妃キャサリン)の好感度には遠く及ばない。
つまり、メーガンとヘンリーは英王室に関する爆弾発言で世界中の注目を浴び、おかげでネットフリックスやスポティファイとの巨額の契約を結べたが、ヘンリーの母国イギリスでは見捨てられた。新天地のアメリカでも、これ以上の人気上昇は見込めない。
実際、アメリカのメディアも同じ話の繰り返しに飽きてきた。王室批判の蒸し返しが商売になるのは『スペア』が最後だとの見方もある。
この本はオーディオ版で聴くと、約15時間かかる。これだけ延々としゃべっても、過去の発言で残された疑問は解消されていない。兄や父の悪口はいくらでも言えるが、突っ込みすぎれば名誉毀損で訴えられ、自分の居場所がなくなるからだ。
一方で、アフガニスタンで軍務中に25人の「チェスの駒」を殺したとの新たな暴言も飛び出した。38歳のヘンリーが400ページ超の回顧録を著した度胸には敬服するが、人気回復につながるとは思えない。残念だ。
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