最新記事

ロシア兵器

プーチンの最強兵器!迎撃不能の核兵器システム「アバンガルド」

What Are Russia's Avangard Missile Systems? Putin's 'Invincible' Weapon

2022年12月20日(火)18時10分
カレダ・ラーマン

滑空するため変わった形をしたアバンガルド(イラスト) DEFENSE SECRETS/YouTube

<プーチン自慢の最終兵器「アバンガルド」を追加配備したと、ロシア国防省が映像付きで発表した。核弾頭も搭載可能で、アメリカも迎撃不可能と言われるその性能は>

ロシア国防省によれば、ロシアは「迎撃不能」の最終兵器システム「アバンガルド」を新たに配備したようだ。

ロシア国防省は12月17日、核弾頭の搭載が可能な極超音速滑空体(HGV)、アバンガルドを実戦配備する映像を公開した。ロシア国営のタス通信は同日、ウラル山脈南部のオレンブルク州に配備されたと報じている。

この報道によれば、アバンガルドは大陸間弾道ミサイルを搭載しており、その取り付けには数時間がかかったという。

ロシア国防省が公開したのは、アバンガルドを配備する第2連隊の映像だ。

ロシア国防省はテレグラムに投稿した映像とともに、「サイロ発射式ミサイルシステムのアバンガルドを持つ新たな連隊が、オレンブルク州で戦闘任務に就いた」という声明を発表している。

【動画】迎撃不能の最終滑空兵器「アバンガルド」

アバンガルドは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2018年3月に発表した高性能兵器システムの一つだ。

どう飛ぶかわからない

米戦略国際問題研究所(CSIS)ミサイル防衛プロジェクトによれば、アバンガルドは重量約2000kg、射程6000km以上で、核弾頭または通常弾頭の搭載が可能だという。

「アバンガルドは、弾道ミサイルによって頂点まで運ばれるブースト・グライド軌道を用いる兵器である」とミサイル防衛プロジェクトは説明している。「弾道の頂点である高度約100kmまで上昇した後、ロケットから滑空体が切り離される。そして大気圏に再突入し、目標に向かって降下する」

飛行速度は音速の27倍に達し、迎撃は不可能だとロシア当局は述べている。

プーチンは、アバンガルドを発表した2018年の演説で、このシステムを「無敵」と表現し、「隕石」や「火の玉」に喩えた。プーチンによれば、グライダーのようにジグザグ飛びながら目標に達するため、「どのような防空システム、ミサイル防衛システムも絶対に通用しない」という。

プーチンは2018年12月、オレンブルク州ドンバロフスキーのミサイル基地で発射実験が行われた後、アバンガルドの能力を改めて称賛した。

「潜在的な敵国が、既存あるいは将来のミサイル防衛手段で迎撃しても、アバンガルドに対しては無力だ」とプーチンは断言し、これでロシアの当面の安全は保障されたと続けた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB議長、市場介入に「説明付きのノー」 関税の影

ビジネス

テスラ新車販売シェアが加州で50%割れ、マスク氏へ

ワールド

米政府、イラン石油制裁の対象に中国独立系精製業者1

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ699ドル安 FRB議長が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 9
    あまりの近さにネット唖然...ハイイログマを「超至近…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中