最新記事

昆虫

ミツバチが帯電!?群れが飛ぶと大気は雷雲ほどに 英研究

2022年12月2日(金)11時30分
青葉やまと
ミツバチの群れ

どれほどの威力なのだろうか bo1982-iStock

<小さな羽ばたきが空気摩擦を生み、驚くほどの密度の電荷を生じるという>

ミツバチの羽ばたきが集まると、大気に予想外の変化が起きることがあるようだ。

英ブリストル大学の研究チームが、ミツバチの大群が雷雲や砂嵐にも匹敵する帯電現象をもたらすことを発見した。研究チームは論文を通じ、生物による大気の帯電は新しい研究分野だと説明している。

これまでにも大気に電場が存在すること自体は知られており、物理的な要因や地質的な影響など、複数の要因によって電場の状況は左右されると考えられてきた。

また、飛行のため羽ばたくと空気との摩擦が生じることから、昆虫1匹がわずかな電荷を生じることも知られていた。しかしチームによると、生物の群れを電荷の発生源と考える研究はこれまでになかった。

論文によると、ミツバチの群れはその密度に比例して大気の電場に直接的な影響を与えており、大規模な群れになると雷雲にも匹敵するほどの影響力を持つという。

ミツバチに限らず複数の種類の昆虫が電気の発生源となる可能性があり、「一部の昆虫の群れがもたらす電荷の影響は、気象学的に生じる変化量にも匹敵することが判明した」とチームは説明している。研究は10月24日付で、科学ジャーナル『iScience』に掲載された。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ政権、予算教書を公表 国防以外で1630億

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、堅調な雇用統計受け下げ幅縮

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 10
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中