偶然? メカニズムあり? 地球の気候が長期的には安定状態を幾度も取り戻してきた理由とは
2022年12月9日(金)16時45分
現行の気候変動をストップするには至らず
気候を一定に保つ「安定化フィードバック」だが、その存在に頼って気候対策をおろそかにして良いかというと、そうは行かないようだ。
論文の共著者でありMITの大学院生であるコンスタンティン・アーンシェイド氏は、「ひとつの観点として、安定化フィードバックを通じて今日の地球温暖化が次第に打ち消されていくため、これは良いことだと言えます」と述べている。
ただし氏は「しかし他方では、効果の発現までに数十万年という時間がかかりますので、現在の問題を解決するに十分なスピードではありません」とも警告している。
安定化は常に気温を一定範囲内に収める働きをしてきたが、そのスケールは十万年単位と非常に長い。温暖化の発生からケイ酸塩岩による冷却効果が生じるまでには数十万年のタイムラグが生じるため、現在進行している温暖化をすぐに食い止められるわけではないようだ。
現在の気候変動には即座に適用できないとはいえ、長い地球の歴史のなかでいかに地質学上の作用が生命を守ってきたかを解き明かす、興味深い研究となっている。
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