最新記事

パキスタン

黒幕は政府と軍部? パキスタン前首相「暗殺未遂」の衝撃

2022年11月7日(月)18時15分
マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター上級研究員)
イムラン・カーン

今年8月にはテロ容疑で訴追されたカーン MUHAMMAD REZA-ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES

<軍部の支持を失い、今年4月に失職した前首相のカーンが先週、集会の最中に銃撃された>

パキスタンのイムラン・カーン前首相が11月3日、同国東部で反政府集会の最中に銃撃され、足を負傷した。

側近数人が負傷し、少なくとも1人が死亡。治安当局は男1人を逮捕したと発表したが、動機など詳細は分かっていない。

数カ月にわたり政府と軍部がカーンへの弾圧を強めているなかで起きた。カーンの支持者の間には政府と軍部の関与を疑う見方が広がっている。

クリケットの元スター選手であるカーンは2018年から首相を務め、今年4月に不信任決議で失職した。

1996年に政界入りした当初は汚職一掃に精力を注ぎ、特に政治不信の若い世代から熱狂的な支持を集めた。だが軍部の支持を失ったところで命運が尽き、失職後は新政府と軍指導部への批判を強めていた。

一方、政府の弾圧は逆にカーンの人気を高め、集会には支持者が大挙。

両陣営が一触即発の状態で緊迫するなか、同国政治はいつ臨界点に達してもおかしくない状況だ。

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

仏内閣が電力増税方針を撤回 労働者負担軽減求める極

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏の安全に懸念表明 暗殺未

ワールド

ロシア、ウクライナ首都機能を新型ミサイルで攻撃可能

ワールド

メキシコ大統領、トランプ氏と電話会談 関税巡る緊張
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 4
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 5
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 6
    トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義…
  • 7
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 8
    日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング 2位…
  • 9
    谷間が丸出し、下は穿かず? 母になったヘイリー・ビ…
  • 10
    NewJeansはNewJeansじゃなくなる? 5人と生みの親ミ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中