最新記事

韓国

「ノージャパンが吹き荒れた国なのか?」 韓国でふたたび日本食ブームの兆し、日本ビールの輸入も急増中

2022年11月2日(水)16時50分
佐々木和義

クラウドはハイトやカスと比べるとコクがあるが、日本ビールには及ばない。また、ハイトやカスと比べて値段が高いこともあって、売れ行きが芳しいとはいえなかったが、ノージャーパンが広がると日本ビールの代用として浮上した。

また、小規模なビール醸造場が作るクラフトビールもノージャパンで恩恵を受けた。コンビニが、ノージャパンで日本ビールが売れなくなると、日本ビールを並べていた商品棚にクラフトビールを割り当てたのだ。
2016年に311億ウォンに過ぎなかったクラフトビール市場は、2020年には1180億ウォンと3倍以上に拡大した。輸入ビールは18年の3億968万ドルから20年には2億2686万ドルまで減少し、なかでも日本ビールは18年の7830万ドルから20年には567万ドルまで落ち込んだ。

ノージャパンと世界的なコロナ・パンデミックによる国際輸送の高額化で、日本ビールが落ち込んだ穴をクラフトビールが埋めたのだ。

日本料理もふたたび好調だ

コロナ禍の長期化で家飲みが増えるとコンビニは輸入ビールを4〜5本セット1万ウォンから1万1000ウォンで販売をはじめて日本ビールが復活し、アサヒビールを輸入するロッテアサヒ酒類とサッポロビールを輸入するエムズビバレッジは19年下期以降、中断していた広告活動を再開した。

日本料理も好調だ。日本人が経営する日本料理店はノージャパンとコロナ禍で客足が遠のいていたが、利用者が急増。売上げが直近3年で最高を記録し、さらに更新を続けているという。また、日本人がプロデュースして韓国人が経営する店も予約が取りづらい状況だ。

デパートやスーパーには日本食や日本ビールが並べられ、日本料理店は利用客で溢れかえる。日本行きの航空便も満席に近く、ノージャパンが吹き荒れた国なのかと疑いたくなるほど日本ブームが蔓延している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争終結へ特使検討、グレネル

ビジネス

米財務長官にベッセント氏、不透明感払拭で国債回復に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 7
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中