最新記事

SNS

カニエ・ウェストが手に入れるSNS「パーラー」とは?

2022年10月31日(月)17時35分
佐藤太郎

「自分自身を自由に表現する権利がある」

ウェストは10月初め、反ユダヤ的な投稿を理由に、ツイッターとインスタグラムのアカウントから締め出された。先週には、人気を集めていたアディダスとの契約も解消された。米Forbesによると、Yeの純資産のうち推定15億ドル(約2,200億円)はアディダスとの契約によるもの。今回の契約解消によってこれが全て失われ、彼の資産額は4億ドル(約590億円)にまで減少したそうだ。

事の発端は、パリ・ファッション・ウィークで着用していた「White Lives Matter(ホワイト・ライヴス・マター)」と書かれたシャツだ。自身のブランド「YEEZY」のショーで「White Lives Matter」Tシャツを発表した。

それを批判したラッパーのショーン・"ディディ"・コムズラに対し「俺に連絡するように言ってきたユダヤ人たちに、誰も自分のことを脅したり手出しできないことを示す例にしてやる」とテキストメッセージを送った。このスクリーンショットをインスタグラムで投稿して批判を受けると、ウェストは「ユダヤ人に対してデス・コン3を仕掛ける」とツイートしている。これは「デス」とアメリカの戦争準備体制を示す「デフコン」を組み合わせもじったもの。

【写真】物議を醸したウェストの「ホワイト・ライブズ・マター」Tシャツ姿

さらにその後、一連の反ユダヤ主義的発言について「一線を超えたことに満足している」などとコメントし、反感を買った。

その後にウェストはParler にアカウントを開設。Facebook 、Instagramや Twitter などの主流SNSのモデレーション ポリシーに異議を唱える多くの保守派に支持されている。

「保守的な意見が物議をかもしていると考えられている世界では、私たちは自分自身を自由に表現する権利があることを確認する必要がある」とウェストはプレスリリースで思いを述べた。

パーラーのジョージ・ファーマー最高経営責任者(CEO)は10月17日の声明で、同社は「言論の自由のための戦い」においてウェストを歓迎する意向を示した。

「社会正義の暴徒が、自分たちの意見に同意しない人々に照準を合わせ続ける中、パーラー氏の開かれた扉と視点は、SNSに向けた中立的な見方によって、誰もが自由に発言できる環境を提供する」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:教皇フランシスコ、女性登用に尽力 改革の

ビジネス

米実業家、カザフ・レアアース開発巡り50億ドルの企

ワールド

米、東南アジア経由の中国太陽電池に高関税 最高35

ビジネス

午前の日経平均は小幅に続落、ドル安/円高が一服し底
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 5
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 6
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 7
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 8
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 9
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 10
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中