「親はどこ?」「どういうつもり?」 店先の車内に放置された幼児の動画が物議(アメリカ)
Man Films Toddler Left in Car While Mom Shops: 'Can't Believe This'
キッズ・アンド・カー・セーフティによる2022年の記録では、「車が盗難に遭ったときに車内に取り残されていた子どもの数」は200人を超えている。2021年にはカンザス州ウィチタで、13歳の少女が乗っている車を犯人が盗み、そのまま走り去る事件が起きた。少女は走行する車から逃げようとして、何マイルも引きずられた末に亡くなった。
パワーウィンドウで重傷を負ったり、窒息死したりする子どもも何千人といる。また、車内に2時間近く残されていたあいだに、6歳の姉が、泣いていた1歳の弟の首をシートベルトで絞め殺してしまった事件も起きたと、ロリンズは話す。また、子どもが偶然にギアを入れてしまうケースも後を絶たない。車が動き出してパニックに陥った子どもたちが、車から飛び降りたり、転げ落ちたり、ひかれたりする可能性がある
どんな気温でもどんな場所でも関係ない
「どんな年齢であれ、また、どのような時間の長さであれ、子どもを車内にひとりで残して安全ということはあり得ない」とロリンズは言う。「外の気温が何度であろうと、どんなに安全な地域であろうと、関係ない。いま述べたような事件や事故は、どのような状況でも起こりうる」
ロリンズによれば、車内に子どもが取り残されているのを見かけたら、すぐに警察に電話をかけて緊急通報するべきだという。
「親を監視してやろうとか、家族を崩壊させてやろうなどと思う人はいないだろう。それでも、その子どもが車内にどのくらい取り残されているのかはわからない。あとどのくらい、取り残されたままになるのかもわからない」とロリンズは話す。
ロックされたドアが開かず、車内にいる子どもが苦しそうにしていたら、窓を壊してでも子どもをすぐさま車外に移すよう、ロリンズは勧めている。それから、警察が到着するまで子どもと一緒にいてほしいという。暑さで苦しそうにしていたら、すぐさまエアコンや氷で冷やしたり、日陰に連れていったりしなくてはならない。
アメリカでは24の州で、「善きサマリア人の法」が成立している(災害などで人を救助するためにとった良識的な行動であれば、それに伴う責任を問わないとする法律)。したがって、例えば、車内に残されて苦しむ子どもを見かけた人が、車を壊して助け出したとしても、責任を負わずに済む。
ロリンズは、子育て中の親や保護者にこう呼びかけている。「『自分は大丈夫』という考え方は捨てなくてはならない。そんな考え方をもっている人こそ、大変な事態に遭遇するからだ」
(翻訳:ガリレオ)