最新記事

王室

英女王国葬の裏側 デンマーク皇太子妃の招待状が密かに「取り消された」ワケ

2022年10月3日(月)18時20分
安部かすみ

英国・キャサリン皇太子妃(左)とデンマーク・メアリー皇太子妃(右) Alastair Grant/Pool via REUTERS

<エリザベス女王の国葬で、デンマークの王室メンバーが招待状を受け取ったにも拘らず、その後取り消され、参列が叶わなかった理由とは......>

エリザベス女王の国葬については多くの高い評価の裏側で、日本ではあまり知られていない英政府の大失態があった。デンマークの王室メンバーが招待状を受け取ったにも拘らず、その後取り消され、参列が叶わなかったと、米ニュースは報じている。

一度受け取った招待状が取り消されてしまったのは、デンマークのメアリー皇太子妃(50)。メアリー妃は結婚前、ドナルドソン(Mary Donaldson)という旧姓で、オーストラリアの民間出身の女性だ。2000年、シドニーオリンピックの観覧のためオーストラリアを訪れたデンマークのフレデリック皇太子が、当時マーケティング・コンサルタントをしていたメアリー・ドナルドソンさんと知り合い04年に結婚した。メアリー皇太子妃は、オーストラリア出身の人物として、初のヨーロッパ王室入りを果たした女性だ。結婚後、夫妻は2男2女をもうけている。

そんな、シンデレラストーリーを地で行くような半生を送ってきたメアリー妃だが、エリザベス女王の国葬を巡って、一悶着があった。

【動画・映像】招待状が密かに取り消された、デンマーク・メアリー皇太子妃

厳正に「例外なし」を強行

19日に行われた英女王の国葬を前に、13日デンマーク王室は声明を発表した。それによると、フレデリック皇太子は、妻のメアリー妃と母のマルグレーテ女王(マルグレーテ2世)と共にエリザベス女王の国葬に参列するというものだった。

しかし、デンマークのタブロイド紙BTは、英国外務省がメアリー妃に「誤って」国葬への招待状を送付してしまったため、土壇場でその招待を取り消したと報じた。

各国の要人500人を含む2000人が参列した英女王の国葬では、日本から天皇・皇后両陛下のお2人が参列されたように、各国から主賓が招待され、それぞれゲストの同伴は「1名まで」という決まりがあったようだ。しかし3名参加となるとこの枠外となるため、メアリー妃は参列できなくなったという。

民間出身とはいえ、将来デンマークの王妃となるメアリー妃。あろうことか、一連の出来事は英国側の過失であるから、一度出してしまったものを取り下げるのは異例な行為と言えるが、それでもプラス2を認めず、厳正に「例外なし」を強行したようだ。

【動画】デンマークのフレデリック皇太子とメアリー皇太子妃の結婚

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中