惨敗予定だった民主党になぜ逆転の可能性が?──泡沫すぎる共和党候補たち
AGAINST ALL ODDS
7月中旬にニューヨーク・タイムズとシエナ・カレッジが行った世論調査では、最も重要な課題として中絶を挙げたのは登録済み有権者のわずか6%で、36%が経済を挙げた。
「中絶は、おそらく両陣営の支持基盤を刺激し、資金調達でもある程度の役割を果たすだろう」と、NRSCのハートラインは言う。
「ただし、経済、インフレ、ガソリン価格が最大の争点であることは、中絶権に関する判決後も一貫して明らかで、(投票日の)11月8日までにそれが変わるとは思えない」
カイザー家族財団の最近の調査によると、中絶は多くの有権者にとって依然として重要な問題である。特に、18~49歳の女性の10人に6人が、最高裁の判断を受けて11月に投票する「意欲が高まり」、主に中絶のアクセスを保護する候補者に投票するだろうと答えている。
共和党は勝てるはずの選挙で負けそうなことに不満を募らせているかもしれないが、中間選挙は経済がそれほど問題にならない年でも政権与党にとって厳しくなりやすいという通説に、安堵もしているようだ。
「バイデンの支持率が30%台で推移すれば、共和党の弱小候補も波に乗って(民主党を)完敗に追い込めるかもしれない」と、ドーナンは言う。「まだ多くの人が(中間選挙に)注目しているとは思えない。9月の連休後もこのような雰囲気が続けば、民主党は窮地に陥るだろう」
キーフはこうした見通しを笑い飛ばす。民主党は「20年にトランプが勝利した州で議席を守る戦い」をすることなく、「上院の主導権を維持して、その数的優位を拡大することを想定している」という。
そうなるかもしれない。しかし、共和党陣営には、多くの候補者が最後に逆転して大勝した20年の選挙に重ねる見方もある。
「サウスカロライナ州でリンゼー・グラム上院議員が窮地に陥ったと誰もが思ったが、10ポイント差で勝利したではないか」と、共和党のストラテジストのナチャマ・ソロベイチクは言う。
民主党のベネットは反論する。「そう、だから何が起きてもおかしくない」
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