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ウクライナ情勢ウクライナ軍、南・東部で反攻加速 1日で20以上の町や村を奪還
ウクライナ軍がロシア軍が制圧していた南部と東部で反転攻勢を強め、多くの集落を奪還したことで、前線にあった集落に住民が戻り始めた。12日、ハリコフで撮影(2022年 ロイター/Vyacheslav Madiyevskyy)
ウクライナ軍がロシア軍が制圧していた南部と東部で反転攻勢を強め、多くの集落を奪還したことで、12日は前線にあった集落に住民が戻り始めた。ただこの日も、ロシア軍による東部ハリコフ市へ砲撃が続いた。
ウクライナ軍参謀本部によると、過去1日で20以上の町や村を奪還。南部ドネツク州ではバフムートとマイオルスクの重要地域でロシアの進軍を阻止した。ロシア軍が制圧した地域のロシア側の責任者、ビタリー・ガンチェフ氏はウクライナ軍が前線を突破したことを認めている。
ゼレンスキー大統領は12日、ウクライナ軍が「今月初めから南部および東部で6000平方キロ超のウクライナ領土を奪還した」とし、「ウクライナ軍の前進は続く」と述べた。
ロシアのペスコフ大統領報道官はこの日、ロシア軍がウクライナ東部ハリコフ州の要衝から撤退を余儀なくされたことについて、ウクライナにおける「特殊軍事作戦は当初目標が達成されるまで継続する」と言明し、直接的な言及を避けた。プーチン大統領もハリコフでの状況には触れず、ロシア経済が西側諸国の制裁に持ちこたえており「彼らの経済的な電撃戦は機能していない」と述べるにとどめた。
こうした中、ロシア軍は東部ハリコフ市への砲撃を継続。ハリコフ市長によると少なくとも1人が死亡したほか、市内の電力と水道の供給が途絶えた。
地域の緊急対応機関によると、住宅地や主要インフラが終日大規模な砲撃にさらされ、ハリコフ市内の複数の場所で火災が発生。「砲撃で5件の火災が発生した」とし、最大の火災は民間集合住宅で発生したと明らかにした。
米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、ロシア軍による攻撃を非難。「ロシアの侵攻から民主主義を守り続けるウクライナを米国は引き続き支援する」と表明した。
ロシアは民間人に対する攻撃は行っていないとしており、ハリコフ市への攻撃についてコメントはしていない。
一方、ロシア国内ではウクライナと国境を接する南部ベルゴロド州のグラドコフ知事がこの日、ウクライナ軍が国境付近を砲撃し、ウクライナ人1人が死亡し、少なくとも4人が負傷したと発表した。グラドコフ知事は、民間住宅のほか送電線などが被害を受けたとしている。
ロイターはこの件に関して独自に確認できていない。