高熱に苦しみながらも、コロナに「輝かしい勝利宣言」──妹が異例の発表
高熱でも一瞬たりと横にならず KCNAーREUTERS
<5月にコロナ流入を認めてから480万人が発熱し、死者が74人の北朝鮮。感染の有無を明確にしていないが、人民への責務から高熱でも寝れなかった金正恩総書記。韓国がコロナを拡散したとの主張も>
北朝鮮を新型コロナウイルス感染拡大が襲うなか、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「高熱」に見舞われていたと、妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が初めて明かした。コロナに感染していたのかは明言していない。
8月10日に行われたコロナ関連の会議でスピーチした与正は、正恩が「高熱にひどく苦しみ」ながらも「人民への責務を考え続け一瞬たりとも横になることができなかった」と話した。さらに、ウイルスに汚染された反北朝鮮ビラを通じて、韓国がウイルスを拡散したと主張した。
同会議で正恩は、コロナへの「輝かしい勝利」を宣言。北朝鮮は5月にコロナ流入を初めて認め、約480万人が発熱。だが死者は74人と極めて低かったと強調した。
また、国内で「ただ一度のワクチン接種も行われていない」と主張したが、中国製ワクチンが使われたとの報告もある。コロナ流入の原因が韓国にあるとの主張を受け、韓国統一省は「根拠のない主張であり無礼で威嚇的」と非難した。