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イタリア初の女性首相候補は、極右と呼ばれることが嫌いな「極右政党」党首

Populists at the Gates

2022年8月4日(木)14時12分
ミケーレ・バルベロ(ジャーナリスト)

もっとも、メローニが右派連合を率いて次期首相に就いたとしても、数千億ユーロの復興基金を目の前にすればEU懐疑論も控えめにするようになるだろうと、バルベリは言う。「自分が考えていた以上に親ヨーロッパにならざるを得ないことを、彼女は十分すぎるほど知っているだろう」

イタリアでは2018年から19年にかけて、同盟と「五つ星運動」が連立を組み、EUに懐疑的なポピュリスト政権が国を率いた。しかし、言葉こそ勇ましかったが、EUから財政規律の緩和を十分に引き出せず、大規模な公的債務は横ばい状態だった。

EUとしては、復興基金を停止してイタリアを沈没させることは決して望んでいないと、ルイス大学公共政策大学院(ローマ)のジョバンニ・オルシナ学院長はみる。ドラギの後任が急進的なポピュリストの右派になれば、「EUは、はるかに協力的ではなくなるだろう。しかし、新しい政権を嫌う一方で、ときどき見て見ぬふりをしてやるのが得策だとも考えるだろう」。

ドラギは最後に国と次期政権に貴重な置き土産を残したかもしれない。EU諸国がロシア産天然ガスへの依存を減らそうと躍起になり、需要が増える時期にロシア政府が供給をストップし始めた今、イタリアはいち早く、そしてうまく動いたと、アルトモンテは言う。ドラギは4月から2回、アルジェリアを訪問し、同国はイタリアにとって、ロシアに代わる第1の天然ガス供給国になったのだ。

「イタリアは11月か12月に、ドイツにガスを売ることになるかもしれない。これはヨーロッパのパワーバランスを変えることになる」

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