プーチンの「ほぼ完全なポチ」になった男
Lukashenko 'Almost Wholly Dependent on Russia' as Belarus Helps Putin: UK
プーチンと一緒にアイスホッケーをするほどの仲(2020年2月) Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin
<英国防省の最新分析。ますます専制的にもなっている>
イギリスの国防省は7月31日、ロシアによるウクライナ侵攻に関する情報当局の最新の分析を発表。ウクライナ侵攻を支持しているベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は「ほぼ完全にロシアに従属する」ようになったとの見方を示した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって、今やルカシェンコは大切な盟友だ。2月に始まったウクライナ侵攻でロシア軍が行ったとされる戦争犯罪や、そもそも侵攻を正当化するだけの根拠がない点について、プーチンは世界各国の指導者から糾弾されている。
英国防省の分析によれば、ルカシェンコは以前に増して専制的になるとともに、ますますプーチンに従属的になっているという。
英国防省はルカシェンコが「ウクライナ紛争についてロシア政府の路線に従い続けている」と指摘。
さらに「死刑(の対象)を『テロ行為の準備』に拡大するなど同政権はさらに専制的になっている」と述べるとともに、「ベラルーシとウクライナに対する西側の陰謀という根拠のない非難をさらに強めていることは、彼がほぼ完全にロシアに従属していることを示していると思われる」とした。
また英国防省はロシア軍がベラルーシ領内から「ウクライナ北部にミサイルを少なくとも20発打ち込んだ」という情報も伝えた。
さすがに戦闘への参加は拒んだようだが
本誌はベラルーシ外務省にコメントを求めたが回答は得られていない。
ほぼ全ての欧州諸国がプーチンのウクライナ侵攻を非難しており、ルカシェンコは欧州首脳の中でほぼ孤立している。多くの国々がロシアに制裁を科したり、ウクライナに軍事的または人道的援助を行ったりしている。
以前からロシアと緊密な関係にあったとはいえ、ルカシェンコのようにロシアによる侵攻を支持している首脳は珍しい。ベラルーシ軍を戦闘に参加させるには至っていない(プーチンからは要請があったと伝えられる)ものの、自国の領内からロシア軍がウクライナに攻撃を加えることは容認している。