旧統一教会との関係認めた7閣僚など大幅入替 第2次岸田改造内閣が発足
閣僚経験者では自民党の高市早苗政調会長を経済安全保障相に起用し、経済産業相に西村康稔氏、デジタル相に河野太郎氏を改めて入閣させた。交代する14人のうち、5人が再入閣となる。
第2次岸田改造内閣で初めて入閣するのは、総務相に就く寺田稔首相補佐官や文部科学相の永岡桂子氏、環境相の西村明宏氏ら9人。一方、林芳正外相や鈴木俊一財務相、山際大志郎経済再生相ら5人が留任となった。
寺田稔氏が務めてきた国家安全保障に関する重要政策や、核軍縮・不拡散問題担当の首相補佐官には岸信夫防衛相を充てた。
内閣改造に先立ち、自民党は麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長を留任とし、政調会長に萩生田経産相、総務会長に遠藤利明選対委員長、選対委員長に森山裕総務会長代行を充てる人事を正式に決めた。
就任会見で旧統一教会との関係を問われた萩生田氏は「今後は主催団体や会の在り方をしっかり見て、会の出席などについては慎重な対応をしっかりとっていきたい」と語った。政調会長としての最重要課題は「外交安保政策の強化」とし、自民党が公約に掲げる防衛力の増強を早急に実行に移す考えを示した。
国葬境に抱える火種
岸田首相が21年10月に発足させた最初の内閣では、総裁選で訴えた若手や女性の起用も含め「老・荘・青」のバランスを取った。今回の内閣改造では再入閣も含め、ベテランの起用に傾いた。
第2次岸田改造内閣では、公明と無派閥を除き安倍派4、岸田派3、麻生派4、茂木派3、二階派2の布陣とし、「派閥均衡型」で挙党一致体制の構築を狙う。
もっとも、思惑通りに政権求心力を維持できるかは見通せない。「旧統一教会が記者会見を内閣改造の日に合わせてきた。重ならないように調整するのが自民党幹事長の仕事のはずだができていない。旧統一教会の根は深く、やがて火を噴くかもしれない問題などを抱えて、挙党一致、党内融和は遠い」と、政治評論家の原野城治氏は言う。
原野氏は、萩生田経産相を政調会長に就けたことで「派閥の遠心力が働くだろう。国葬を境に、安倍派の分裂騒動、さらなる党内抗争を誘引しかねない火種を抱えた人事と言える」と指摘する。
(ポリシー取材チーム 編集:石田仁志)
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