WHO、サル痘で「公衆衛生上の緊急事態」宣言 感染抑制へ協調対応促す
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、急速に感染が拡大しているサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に相当すると宣言した。写真は検査結果のラベルが貼られた試験管。5月23日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、急速に感染が拡大しているサル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に相当すると宣言した。最高度の警戒を呼びかけ、各国による協調対応を促す。
テドロス氏は記者会見で、専門家による21日の緊急委員会では9人が反対、6人が支持と意見が分かれたものの、宣言に踏み切ったことを明らかにした。関係者によると、同氏は感染率の上昇やワクチン・治療薬の不足を懸念したとみられる。
同氏はサル痘のリスクについて、欧州は「高い」、世界全体では「中程度」とした。
サル痘は今年に入って75カ国以上で1万6000人を超える感染者が確認され、アフリカでは5人が死亡している。
従来から流行していたアフリカ以外の地域では、男性間で性交渉をする人を中心に感染が広がっている。
感染者数はWHOがサル痘を巡る最初の緊急委を開いた6月下旬時点の約3000人から大きく増加している。6月の会合ではPHEIC宣言を見送り、感染がさらに拡大した場合に再検討することで合意していた。